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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第参拾伍話-都市
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都市-9

 一つの事件は解決したが、もう一方の事件はというと・・・・・・


「検討もつかないって、どういう事!?」


 燐は事務所で長四郎の推理を聞いて激怒する。


 自分が推理を張り巡らせ事件を解決しているというのに、この探偵は飲みに出て行く始末かつ犯人の見当もついていないというのだから。燐は烈火の如く怒った。


「そんな怒らなくても良いんじゃないのよ。ラモちゃん、シリアルキラーはそう簡単に尻尾を掴ませないのよ」


「その掴ませない尻尾を掴むのが、あんたの仕事でしょ?」


「俺の仕事は、浮気調査とか素行調査とかが本業なのよ。殺人事件の解決は本業じゃないのよ」


「だからって、手を抜いて良い理由にはならないでしょ?」


「手は抜いてましぇんよ」


 その一言に燐の怒りは更にヒートアップ。長四郎の胸倉をガッと掴む燐。


「もうっ! ヤンキーじゃないんだから。そういう事しないの」


「ヤンキーみたいなことをやらしているのは、あんたでしょうがっ!!」


 燐に怒鳴られ、長四郎は萎縮してしまう。


「もういいっ。今度の事件も私が解決するっ!!」


 燐は一人、そそくさと出ていった。


「うわぁ~ 亀山君みたい・・・・・・」


「ったく、何よ」


 燐はぷんすかしながら、文京区へと向かった。


「え? 事件現場を見て周りたいの?」


「はい、お願いします。絢さん」


 絢巡査長は上司の一川警部を見ると、許可する旨を頷いて伝える。


「じゃ、行こう」


「はい」


 女子二人が捜査に向かったそのタイミングで長四郎から着信が入る。


「もしもし?」


「もしもし。長さん?」


「どうも。ラモちゃん、そっちで粗相してませんか?」


「早速」


「なんか、すいません」


「いや、気にせんといて。で、あたしに何か用?」


「実は手伝って欲しい事がありまして」


「ほぉ」


 一川警部は長四郎の要請を受け、文京区内のオフィス街へと場所を移した。


「どうも」

 遅れてきた長四郎が一川警部に会釈する。


「いやぁ~ 長さんから呼び出されるってことは何かを掴んだっていうことよね?」


「いいえ、これからヒントを掴みに行くんです。付いて来てください」


 長四郎が先導する形であるオフィスビルへと入った。


「あのぉ~」長四郎は受付の女性に声を掛けると「以前、お見えになった方ですよね?」と相手も長四郎の事を覚えていた。


「ええ、そうです。あの時の人間なんですけど。一川さん手帳、手帳」


「ああ、あたしこういうもんです」


 一川警部が警察手帳を提示する。


「警察の捜査協力って、形でご協力願えないでしょうかと上の人にそう伝えて頂けないでしょうか?」


 この理論で、医療器具メーカーを転々と渡り歩いた男二人。


「はぁ~ 疲れたぁ~」


 帳場が立てられている所轄署へ帰ってきた長四郎の第一声はそれであった。


「春先やいうのに暑かったねぇ~ はいたぁ~」


 一川警部は頭をピシャッと叩く。


 そして、長四郎は医療器具メーカーから提供された医療用メスを机の上に並べる。


「で、だ。この中から、凶器となったのは」


「え~っと、ヒツギ社製のメスばい」

 一川警部は捜査資料を読みながら、長四郎に伝える。


「ヒツギ社のメスを扱っていたのは・・・・・・ 株式会社オクサンとシャチョサン株式会社か」


「長さんは、そこの社員が犯人やと考えとうと?」


「考えてますね」


「でも、どっちの社員が犯人やろか?」


「それをこれから調べるんですよ。どうも、ありがとうございました」


 長四郎は一川警部に礼を言い、署を出ていった。

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