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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第参拾肆話-世界
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世界-12

 警視庁へと戻った長四郎達が向かったのは、倉久が留置されている留置場であった。


「どうして、認めたんですか!?」

 燐は倉久が入っている牢に入るや否や詰め寄って、問い詰める。


「どうしてって・・・・・・」


「ラモちゃん、落ち着け」

 長四郎は燐を引き離してから「是非、説明して欲しいですね」と質問した。


「それは・・・・・・」


「それは?」


「それは・・・・・・言えません」


「何でよ!」燐は通常運転通り、ブチ切れる。


「それを聞いても答えないよ。ラモちゃん」


 長四郎は諦めたような感じの素振りを見せる。


「諦めんなよ!!」燐は某テニスプレイヤーみたいな事を言う。


「そうだね。そうだね。あ、倉久さん。もう少しで事件解決しますんで、ご安心ください」


「分かりました」


 ジタバタ抵抗する燐を連れて、留置場を後にする長四郎。


 部屋に戻ったと同時に燐が口火を切った。


「あんた、あっさり引き下がって良いと思ってる訳?」


「思ってるよぉ~」


 その返しを見て、遊原巡査はぷっと笑う。


「何が可笑しいのよ」


「いや、何も可笑しくはないよ」と言いつつも、遊原巡査の肩は小刻みに揺らす。


「あんたからも何か言いなさいよ」


「特に言うことはない!」と言い切る長四郎。


「でさ、犯人は誰なの?」

 燐は本題を切り出した。


「読者の皆様は、もうお気づきじゃないのかしら?」


「読者の皆様、そうなんですか?」

 燐は読者の皆様にそう尋ねた。


「それよりも、鑑識作業の結果が知りたいよなぁ~」


「お疲れ様ぁ~」


 佐藤田警部補が帰ってきた。


「お疲れ様でぇす」三人は声を揃える。


「で、どうでした?」


「あ、うん。流石は名探偵、下足痕あったよ」


「うっそぉ~」燐は驚嘆の声を出す。


「噓じゃないよ。本当なんだから」


「ラモちゃんも疑り深いねぇ~」遊原巡査は呆れる。


「いつもの事だから。それで、他に何か分かりました?」


「あ、うん。やっぱり、ダストシュートの入り口に紐引っかけて侵入したみたいね」


「てことは、ロープ後もあったというわけですか」


「そう」


「でも、タワマンだよ? 一階から昇ったとでもいうわけ?」


「ラモちゃん、分かってないな。犯人は特殊な訓練を受けているから、こういうのがお茶の子さいさいって訳?」


「特殊な訓練? あんた、本気で言ってるの?」


「言ってる。言ってる」


「探偵さんの言う犯人、俺、分かっちゃったかもです」


「ウソォ~」


「噓じゃないし」


「ま、それはさておきさ。どうやって切り崩す気なの?」


「そこなんですよ。佐藤田さん。俺もそこをずっと考えているんですよ」


「大変だねぇ~」


 佐藤田警部補は無責任な感じで長四郎の気苦労をねぎらう。


「それじゃあ、切り崩し作戦を開始しましょうかっ!!」


 長四郎は顔をパンパンっと叩いて、自身の気合を入れるのだった。


 翌日、長四郎と燐はテレビ局に居た。


 目的は下の階の住人、子安に会うためだ。

「ここに来たのなんで?」


「なんでだろう?」


 スルッと、とぼけて見せる長四郎に燐は深いため息をつくのだった。

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