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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第参拾肆話-世界
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世界-11

 下の階の住人から話を聞きこむ為に、三人は一階に降りた。


「一階に戻らないと下の階に行けないって面倒くさいよね」燐はぼやく。


「そうだなぁ~」

 長四郎はそう答えながら、インターホンに部屋番号を入力し、インターホンを鳴らす。


 一分程して、「はい」という返事が帰ってきた。


「あ、どうも。警察です。上の階の住人についてお話をお聞きしたいのですが、宜しいでしょうか?」


「え? あ、はい」

 下の階の住人は女性のようであった。


「女の人だったね」


「そうだな」


 長四郎は適当に返事をしながら、エレベーターへと乗り込む。


 そして、事件現場の下の階へと上がった三人を出迎えたのは、テレビタレントの子安であった。

 彼女は自衛隊出身のタレントで、一昨年から台頭してきたタレントの一人であった。


「あの、何か?」


「いえね、上の階の人について何か知っていないかなと思いまして」

 長四郎は質問しながら、子安の体格を観察する。


 小柄で引き締まった身体をしていた。


「いえ、存じてません」


「でも、苦情。入れられてましたよね?」

 長四郎は灰尾栄光の会社に届いていた苦情のカードを切った。


「よく知ってますね」


「ええ、まぁ」答えを濁す長四郎。


「あの、どういった苦情だったんですか?」


 長四郎の質問をダメにしてしまう質問をする燐。


「騒音です」きょとんした顔で燐の質問に答える子安。


「騒音ですかぁ~」燐は意味ありげな感じの返しをする。


「すいません。変な質問をしてしまって」


「いえ」


「あの差し支えなければ、リビングルームだけ見させてもらっても宜しいでしょうか? ここのフロアと上の階が同じ間取りであるとのことで。事件解決の為にご協力願えませんか?」


「あっ、はい。分かりました」


 子安は少し嫌そうな顔をしたが、快く? 了解してくれた。


「探偵さん。この部屋見て何になるんです?」

 子安に聞かれないよう小声で長四郎に耳打ちする。


「見たら、何かが分かるの?」


「そうなんですか?」


「そうだよ」


「ここがリビングルームです」

 子安は三人を案内しながら、部屋へと招き入れる。


「ありがとうございます。すぐに終わりますから」

 長四郎はそう言い、すぐにダストシュートの方へと向かった。


「あれ?」長四郎は変な声を出したことにより二人が様子を見に来た。


「どうしたの?」何があったのか説明を求める燐。


「あ、いや、これ。上の奴とは違くない?」

 長四郎はダストシュートを指差す。ダストシュートは人が入れないようなカバーがしてあったのだ。だが、灰尾栄光の部屋にはその様なカバーがなかった。


「カバーだね」と燐が言う。


「うん、カバーだ」と遊原巡査が言う。


「君たち、同じ事を二回も言わなくて良いから。それよりもだ」

 長四郎はダストシュートをまじまじと観察し始める。


 そこで、長四郎の推理は確証へと変わった。変わるものを見つけたのだ。


「OK, 分かりました」


「何が分かったの?」


「色々ね」


 長四郎が燐の質問にいつものようにはぐらかして答えている中、遊原巡査は電話対応をしていた。


「はい。はい。分かりました」電話を切った遊原巡査はすぐに「探偵さん。面倒なことになりました」そう告げた。


「面倒? 何?」


「倉久賢が犯行を認めました」


「Oh , Shit!!」


「マズいじゃん」と燐もこの状況のヤバさを理解していた。


「ああ、マズい。遊原君、警視庁に戻ろう」


「はいっ」


 三人は適当に子安に礼を述べ部屋を後にした。

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