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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第参拾肆話-世界
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世界-9

 昼ご飯を食べ終えた長四郎、燐、遊原巡査の三人は、事件現場のマンションへと向かっていた。


「ずっと、気になっているんだけどさ」燐が口を開いた。


「何?」


「どうしたの?」

 車を走らせる遊原巡査はルームミラー越しに後部座席の燐へ視線を向ける。


「犯人の目星はついているの?」


「どうなんです? 探偵さん」


「どうって・・・・・・ まだ、確証はないから言わない」


「って事は、目星はついているんだ」

 燐はふんぞり返りながら、助手席の長四郎に目を向ける。


「ついてはいるけど、その人が犯人とは限らないし」


「やっぱり、あれっすか? 犯人は狡猾な感じな感じなんすか?」


「遊原君。プロファイラーにでもなったら?」


「茶化さないでください」


「こいつ、すぐに人の話を茶化すから、、気を付けな」


「お、おう」


 女子高生からのアドバイスに戸惑いながら、返事をする遊原巡査。


「あのさ、マンションに行って何が分かるの?」


「確証を得にいくのさ」

 そう答える長四郎の目は、真剣そのものだった。


 マンションに着いた三人。そして、長四郎の進言でゴミシューターの排出口に来ていた。


「ここが確証に変わるの?」


「いいや。取り敢えず、君らはここで待機」

 長四郎は二人に指示を出して、ゴミの山へと昇り始める。


「あいつ、何するんだろ?」


「さぁ?」


 遊原巡査と燐は、ゴミを漁り始める長四郎を只見守るしかなかった。


 そんな長四郎はゴミを一生懸命漁る。ちぎっては投げ、ちぎっては投げの繰り返し。


「手伝おうかぁ~」燐が声を掛けるが、長四郎は手を挙げて返事をするだけで只、黙々と作業をする。


 長四郎はある少し、薄汚れたゴミ袋を遂に見つける。


「あったぁ~」


「何が、あったのぉ~」

 そう聞く燐目掛けて、見つけたゴミ袋を投げる長四郎。


「あぶねっ」

 燐は咄嗟に避ける。その避けた瞬間に、遊原巡査を突き飛ばしてしまい遊原巡査は壁に頭をぶつける。

 そして、白眼を向いて倒れる。


「ああ、遊原君!!」

 お慌てで、燐は遊原巡査の身体支える。


「何があった?」

 長四郎は身を乗り出して、状況を確認する


「ゆ、遊原君が!!」


「なぁ~むぅ~」そう言って、長四郎は遊原巡査に手を合わせて葬ろうとするのだった。


「あれ?」

 遊原巡査が意識を取り戻した時、被害者の部屋のソファーで寝ていた。


「あ、生き返った」燐は安堵で胸を撫で下ろす。


「失礼な言い方すな」

 ダストシュートに頭を突っ込んでいる長四郎はそう言う。


「探偵さん、何してんの?」


「あの中、調べてる」燐は長四郎の方を指差して、教える。


「ダストシュートに何があるの?」

「わっかんない。聞いても教えてくれないんだよね」


「そうなの? 投げたゴミ袋は?」


「ああ、あれでしょ?」

 長四郎の足元に置いてあるゴミ袋を指差す燐。


「あれ、何だったの?」


「あれね。中身じゃないんだって、大事なのは」


「中身じゃないの?」


「うん。あ、それでさ、鑑識を呼んでほしいって。あいつが」


「なんで?」急な要請依頼で理由を求めると「なんで?」と長四郎に聞く燐。


「確証に変わるから」

 ダストシュートから顔を出した長四郎はそう答えた。

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