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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第参拾肆話-世界
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世界-2

「え? タワマンの密室事件?」

 そう言うのは、警視庁命捜班・第二班班長の佐藤田 一喜(さとうだ かずき)警部補である。


 二人は事件を調べるために、事件を担当していた佐藤田警部補を訪ねた。


「そうです。佐藤田さんの所が担当しているって聞きまして」

 長四郎はそう言うと佐藤田警部補は「ふ~ん。何か依頼でもあったの?」と質問してきた。


「ええ、まぁ。そんなところです」燐が答えた。


「そう。って、言っても、もう追い出されちゃったんだけどね」


「追い出されたのは、班長のせいでしょ」

 そう発言したのは、部下の遊原 祐希(あそはら ゆうき)巡査である。もう一人の部下である明野 泉(あきの いずみ)巡査は休暇中である。


「え、そうなの?」と燐が佐藤田警部補の方を見ると、佐藤田警部補はその視線を避けるように雑誌で顔を隠す。


「そうだよ。捜査会議で居眠りするもんだから、追い出されてこの始末」


一川(ひとつがわ)さんも似たようなものだから」長四郎はそう言って宥める。


「そんなことより、事件の話!」

 燐はパンっと手を叩いて、話を戻そうとする。


「ああ、そうだったね。はい、これ」


 遊原巡査は捜査資料を燐に手渡す。


 二人は顔を突き合わせて、捜査資料に目を通す。


「ねぇ、ここに行きたいんだけど? 連れていってくれる?」


 どうしたら良いんすか? みたいな顔で上司を見ると、目配せでこれを許可する。


 遊原巡査は長四郎と燐を事件現場へと案内する事となった。


「ここが事件現場のマンションです」

 パトカーでマンション周辺を走りながら、二人に事件現場を紹介する。


「知ってる」長四郎と燐は声を揃えて答える。


「じゃあ、お次はマンションの中に案内します」

 少し不機嫌そうな顔で遊原巡査は近くのコインパーキングに車を駐車し、事件現場のタワーマンションへと向かった。


 三人を乗せたエレベーターは、3分もかからぬ内に最上階の部屋つまり事件現場へと連れて行った。


「すごぉ~い。本当にエレベーター直結なんだぁ~」

 長四郎は嬉々として喜んでエレベーター直結の玄関へと足を踏み入れる。


「何、このくらいで感動してんの?」


「ラモちゃん、庶民はこういうもので感動するの。もしかして、金持ち?」遊原巡査がそう言う。


「That’s Right.(訳:その通り)」長四郎はそう言って、指をパッチンと鳴らす。


「へぇ~ 金持ちのお嬢様なんだ」


「何よ。その意外みたいな顔は」


「俺、そんな顔してます? 探偵さん」


 遊原巡査にそう問われた長四郎は遊原巡査の顔を見て「してる」と答えた。


「してるけど、それより被害者が殺されていた寝室はどこ?」


 長四郎は燐に締め上げられている遊原巡査にそう質問し

た。


「ああ、はい。この廊下を真っ直ぐ行った突き当りです」


 教えられた通りの道順で寝室へと向かった。


 寝室へと入ると、ベッドの布団は散らかっており、争ったような形跡がまだ色濃く残っていた。そして、床には灰尾が倒れていた姿形を型取った紐が残されていた。


「刺殺だっけ?」


「はい。そうです」


「ラモちゃん、持ってきた捜査資料を」


 燐は自分の斜め掛けバックからクシャクシャにした捜査資料を長四郎に手渡す。


「なんで、クシャクシャにするかなぁ~」


「そう言うんだったら、自分で持ちなさいよ。人に持たせないで」

 燐はそう言って、ドンっと長四郎の胸に捜査資料を叩きつける。


「うほっ!」


 クシャクシャの捜査資料を少し伸ばして、捜査資料に目を通す。


「え~っと、被害者は眠っている所を襲われた。でも、被害者はビックリしてから抵抗したのか。まぁ、こういう部屋の状況で殺されたって訳か・・・・・・ ふんふん」

 資料に視線を落としたまま事件現場の寝室を出ていく。

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