表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第参拾参話-幻想
659/758

幻想-9

 次の日、長四郎は燐と共にジャスティの所属事務所を訪れていた。

「あの、どうして私たちが集められたのでしょうか?」

 そう質問してきたのは、ジャスティのリーダー兼桃担当の桃田春恵だ。

「あなた達の中に犯人が居るとかじゃないので、ご安心を」と長四郎は前置いてから「実はファンの事でお聞きしたいんです」と集めた理由を説明した。

「ファンって言っても私たち、握手会とチェキ撮影ぐらいしか交流がなくて詳しくないんです」そう答えたのは、猿担当の透明子である。

「明子ちゃんの言う通り」と透明子の発言を肯定する鬼担当・貫花。

「花ちゃんの言う通りです。あ、でも、春恵ちゃんは撮影会とかやっているのでそこで知り合いになっているファンもいるかも」

 犬担当の坂本樹が長四郎にそう告げた。

「このように言われてますが、桃田さんのご意見は?」長四郎がそう問うと「確かに私の撮影会に来るファンはいますけど。人殺しをするような人達は居ないと思いますよ」と答える春恵。

「春恵ちゃん。決めつけは良くないよ」と燐が言う。

「そうなんだ。御免」と何故か謝る春恵に長四郎はまた質問をする。

「桃田さんはこの業界長いんですか?」

「はい。もう17年程になります」

「17年!?」

 長四郎は変な声を出して驚いてしまう。

「春恵ちゃんは、小学生の時からジュニアアイドルとしてやっているんだから」

「ジュニアアイドル!?」

 燐の解説にまた素っ頓狂な声を出して、長四郎は驚く。

「何、一人で驚きの連続みたいな反応してんのよ」

「探偵さん。面白いですね」春恵にそう言われた長四郎は「そう言って頂けると幸いです」と返事をする。

「じゃなくて、ファンの事でしょ? 探偵さん」

 透明子に話の路線を戻された。

「ああ、そうでしたね。覚えていたらで結構ですので、この方々についてお聞きしたいんです」

 長四郎はそう言って、昨晩飲みに行ったコミュニティのメンバーと一緒に撮影した集合写真をメンバー四人に見せた。

「あ、獲濡さんだ」最初に発言したのは、貫花であった。

「この人は、君が推しなんだね?」

「はい」

「他に知っている人居ますか?」

「この人は、私の推し担です」

 春恵は赤座と椿を指す。

「この女の人が、推し担」透明子は純を指差し、「じゃあ、この二人の推し担は君になるのかな?」長四郎が川久保と雪代を指しながら、樹に尋ねると頷いて答えた。

「ちょっと、待って!」と燐が声を出す。

「どうしたの?」

「何で、私には推し担が居ない前提で話してるの?」

「え? ラモちゃんを推す客いるの?」

「それ、どういう意味よ!!」

 燐は長四郎のこめかみをぐりぐり攻撃する。

「痛い! こんな事をファンにしてるんでしょ? 女王様!!」

「誰がSM嬢じゃ!!」より激しめにぐりぐり攻撃をする。

「あ、あの一応、この女性も燐ちゃんのファンですよ」

 透明子がフォローする発言をする。

「そうなんだ」と言いつつ長四郎は心の中では「噓だぁ~」と思っていた。のが見透かされたのか。燐から「お前、噓だぁ~ って思ったでしょ?」と再びぐりぐり攻撃の餌食になる。

「し、質問」ぐりぐり攻撃の中、長四郎は四人にそう尋ねた。

「何でしょうか?」と春恵が答える。

「この面子で揉めてたとかはない?」

「知らない」「知りません」四人は口々に答えた。

「春恵さんに質問です。撮影会ってどのようなものなんですか?」

「グラビアです」

「グラビアって事は、水着で?」

「あんた、良からぬ妄想したでしょ?」燐にそう言われた長四郎は即座に「してない」と否定する。だが、長四郎の顔は鼻が伸びきった顔をしていた。

「真面目に仕事しなさいよ!」今度は、伸びた鼻を引っ張られる長四郎。

「痛たたたたた」

「そうだ! 思い出した。先月の撮影会の時、電話で喧嘩していた」春恵が思い出した事を長四郎に告げた。

「内容は覚えていますか?」

「そこまでは・・・・・・」

「分かりました。皆さん、お忙しい中ありがとうございました」

 長四郎はそう言って、席を立つと「あ、待ってください」と春恵に呼び止められる。

「何です?」

「事件解決したら、お礼に探偵さんの好きな歌を歌いますよ。どんな曲が好きですか?」

「え~」このえ~ は、そんなことしなくてよいのにのえ~ だ。だが、折角ならと長四郎は答えることにした。

「じゃあ、『シャアが来る』で」

「何それ」

 女子五人声を揃えて言うのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ