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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第参拾弐話-隠密
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隠密-34

 用紙は、線状痕の結果であった。

「これは鈴木殺害の際に使用された弾の線状痕です」

「それが何だというんですか?」

「犯人が使用した銃は、ベレッタM85。これ、麻薬取締部で使用されている拳銃です。 それと同じ線状痕が出た。つまりは、犯人は麻薬取締部の人間そういう事になりますよね?」

「ええ」

「そうです」大島に続いて霧子も答えた。

「で、調べてくれたんだよね? 泉ちゃん」

「はい、先程、麻薬取締部に出向いて拳銃の確認をさせて頂きました。その中で一丁、所在が不明な拳銃がありました」

「誰の拳銃?」燐が質問すると「山戸霧子さんの物」と答えた。

「では、ここで山戸さんに質問します。山戸さん、ここ数日で本部を訪れた事は?」

「ありません」長四郎の質問に即答した霧子。

「だそうです。では、誰が山戸さんの拳銃を盗み出したのでしょうか?」

「回りくどい言い方はやめてください。私だと仰りたいんですよね?」

「その通りです」

「もう正直に認めたら? あんたが組織の人間だって割れているんだから」

 霧子にそう言われた大島は観念したらしくはぁ~ とため息をついてから喋り始めた。

「熱海さんの言う通りです。確かにミイラ取りがミイラになりました。ですが、組織を潰せるだけの情報は得ました」

「あ、待ってください」と長四郎は話の腰を折る。

「なんで、止めさせるの?」

「続きは、また明日って事で。当分の間、素敵な別荘で過ごすことになるので、今夜はゆっくりと休んでください」長四郎は財布かた10万円をポンッと机の上に置くと「帰ろう」と置いた10万円をくすねようとする燐の首根っこを掴んで帰路につくのだった。


 翌日、山戸霧子、大島千尋を連れ立って、6人は世田谷にある北条邸を訪れた。

 デカい門をドンドンっと叩いた長四郎は、こう言った。

「みぃ~や沢さんっ! あ~そぉ~ぼっ!!」

 すると、デカい門が、ぎぃ~という音を立てて開いた。

「やめてください。ご近所の面体もあるんですから」

 宮沢は勘弁してくれと言わんばかりの顔で長四郎に言う。

「面体があるなら、麻薬をばら撒いたりしないだと思うけどなぁ~」

 長四郎はドストレートな言葉をぶつける。

「麻薬? 何のことです?」

「しらばっくれちゃってぇ~」

「本当に往生際が悪い」

「燐ちゃん」

 明野巡査は燐を窘める。

「ここじゃ、何ですから。中でお話を」

 遊原巡査はそう言って、邸内に入る。それに続いて長四郎達も入っていく。

「まぁ~ 立派なお庭だこと」

 手入れの行き届いた庭を見て感嘆の言葉を送る長四郎。

「いきなり来て、何なんですか?」説明を求める宮沢に「入口で話した通りあんたを違法薬物取締法で逮捕しにきた」長四郎は指を銃の形にし、バンッと宮沢を撃ちぬく動作をする。

「何を証拠に仰っているんですか?」

「証拠ならあります!」霧子はある録音データを流し始めた。


「本当に大丈夫何ですか?」

「はい。大丈夫です。清栄本部長には私から話しておきますので。薬は例の場所に」


 そこで音声を止めた霧子は続けた。

「ここの例の場所に行くと確かに薬はありました! 彼女が犯罪を犯してまで引き出してきた情報から」証拠の写真を見せる霧子。

 例の場所とは品川駅のコインロッカーである。大島から情報を聞いた霧子はその場所に向かったというわけだ。

「ふっ、それだけで私が違法薬物をばら撒いていると?」

「声紋の照合にご協力願えませんか?」遊原巡査が頼むと「それは、ちょっと・・・・・・」と拒否する宮沢。

「拒否するって事は、あんた認めたようなもんじゃない」燐はそう言った。

「それと、売人と貴方が密会していた時の写真も押さえてますよ」

 長四郎は鈴木と密会している時に撮影した写真を見せた。

「もう観念なさい」大島が遂に口を開いた。

「ふっ。恐れ入ったな。そこまで押さえていたとは・・・・・・」

「で、どうです? お認めになりますか?」

「取り敢えず、今は」

 手首を差し出す宮沢は、御用となった。

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