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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第参拾弐話-隠密
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隠密-32

「燐ちゃんは今、何処に居るんです?」

 明野巡査は車を走らせながら、GPSマップで燐の居場所を特定しようとしている長四郎に質問する。

「え~っとね。首都高に乗ったな」

「首都高!?」

「そう首都高。んで、予想される行き先はまだ分かんねぇな。取り敢えず、乗って」

「分かりました」

 明野巡査は首都高に向けて車を走らせた。

「探偵さん。あの女子高生、殺されるんすかね?」

 遊原巡査は縁起でもない質問をぶつけ「祐希!!」と明野巡査に怒られる。

「泉ちゃん、怒らないの。遊原君の読みは当たっているよ」と冷静に答える長四郎。

「探偵さん。どうして、そう冷静何ですか?」

「冷静じゃないと、やってけないよ。刑事っていう商売は」

 あんたは刑事じゃないだろ。二人の刑事は同時に心の中で呟いた。

「そろそろ、分岐なんですけど」

「ああ、関越に入ったな」

「関越自動車道ですね。了解!! しっかり、捕まってて下さいね!!!」

 明野巡査はそう言うと、アクセルを名一杯踏み込む。

「遊原君。サイレン鳴らした方が良いんじゃない?」

「そうすね」

 パトランプを出して、サイレンをフルボリュームで流してもうスピードで首都高を走りぬけていくのであった。


「痛っ!!」

 コンクリートの床にその身体を叩き付けられる燐。

「何すんのよ!!」

 燐は目の前にいるフードの男を睨みつける。

 だが、男は返事をしない。手足を縛られた燐は芋虫状態で反撃すら出来ない。

「私を殺そうって訳?」

「それはこれからの君次第だ」ようやく、男は口を開いた。

「どういう意味?」

「言葉の通りだ。君が今、関わっている件から手を引くというのであればここから解放しよう」

「噓ね」

「何故、そう思う?」

「危険を冒してまで、人の多い駅で拉致した人間をそう易々と返すとは思えないからよ」

「ふっ。君は相当、賢いとみたな」

「ありがとう。でも、これだけ忠告しておく」

「何だ?」

「私を殺したら、あんたらただじゃ済まないから」

 燐がそう言うと、男達は大笑いする。

「君は、面白いね」男は肩を揺らしながら、燐に拳銃を向ける。

「一思いに逝かせてあげるから安心して、死ね」

 男が拳銃の撃鉄を落とし、引き金に人差し指を掛けようとしたその時。

 どこからもなく飛んできたブーメランが男の手に刺さり、銃が地面に落ちる。

「長四郎!!」燐がそう叫ぶと、「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン!!」長四郎はハクション大魔王の決め台詞を言いながら姿を現した。

 その後ろには、拳銃を手にした明野巡査と遊原巡査の二人がいた。

「き、貴様は!?」先程までベラベラ喋っていた男が痛みに耐え、息絶え絶えに長四郎に向かって質問をした。

「聞かれて名乗るのもおこがましいが。答えて進ぜよう。ドルゥゥゥゥダン! プリティー長さん!!」ターンを決めながら長四郎はポーズを取った。

「はぁ?」その場に居た全員が同じ反応をした。

「はぁ? はないんじゃない。はぁ?は」薄い反応に長四郎が不満げしていると「殺せぇ!!」と男の号令が出る。

 その瞬間、男達が長四郎達に襲い掛かってきた。

 長四郎は華麗なパンチ、パンチ、パンチを繰り出して男達を伸していく。

 遊原巡査と明野巡査も拳銃は使わず、警棒を武器に男達を倒していった。そして、明野巡査は隙を見て燐を救出した。

「燐ちゃん、大丈夫?」

「大丈夫。よ!」

 明野巡査の顔目掛けて拳を繰り出す燐。だが、その拳は明野巡査に当たるのではなく背後から襲うとしていた男の股間に浴びせあられた。

「くぎゅぅ~」男は何とも表現しがたい痛みに悶絶している所に燐の回し蹴りを受け倒れた。

「す、凄い・・・・・・」感心してしまう明野巡査を他所に燐は襲い来る男達をストレスのはけ口と言わんばかりにボコボコにする。

「パワフルやなぁ~」

 長四郎は司令塔の男を倒し、その場に居た人間は全員倒された。

 そのタイミングで、応援要請をしていた埼玉県警の刑事達が監禁場所の倉庫に突入してきたのだった。

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