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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第参拾弐話-隠密
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隠密-27

 燐は颯爽とバイクを走らせ鈴木が運転する車を追走する。

 鈴木は血相をかいた顔で、車を飛ばして走らせ燐もそれに続いて横浜の街を駆けていく。

 そんな中、燐のスマホに着信が入る。

 燐はヘルメットのBluetoothを使い応答した。

「もしもし?」

「もしもしじゃないだろ? どぉなの?」通話相手は長四郎であった。

「着かず離れずで、追ってるよ」

「そうかい。今どこらへん走ってるの?」

「山下公園の近く、133号線を驀進中」

「了解。挟み撃ちするから、このまま通話を続けるぞ」

「OK」

 そう返事をした燐は鈴木の追跡を継続する。

 暫く走り続けていると、鈴木は燐の追跡に気づいたらしく車のスピードを上げていく。

「やばい。気づかれた」

「分かった、無理せずに尾行してくれ」

「了解!!」

 燐は長四郎の指示に従い少し距離を置いて尾行をするのだが、鈴木の車は信号無視までして逃げようとするので、燐はジャケットのポケットから四角い小物を取り出しそれを鈴木が運転する車に投げつけた。

 車のトランク部分に取り付いたそれを付けたまま鈴木の車は走り去っていった。

「ごめん。逃げられた」

「え~ らしくない」

「大丈夫。あんたに言われた通り、例の物を取り付けたから」と答える燐に「OK.

じゃ、適当な所で合流しよう」そう提案する長四郎であった。

 そして、逃亡した鈴木は今、横浜の外れの方にある倉庫にその身を置いていた。

 何故、長四郎達に分かるのか?

 読者の方は、もうお気づきであろう品物を車に取り付けたからだ。

 長四郎達四人は、その倉庫を訪れた。

「よく走ってる車にGPS付けられたね」明野巡査は燐に感嘆の言葉を送る。

「そこは腕よ」燐は自分の二の腕をパンパンっと叩いて、自分の力量をアピールする。

「何が腕だよ。行くぞ」

 長四郎がそう言って、倉庫に近づいて行くと倉庫の中から渇いた銃声が聞こえてきた。

 四人は大急ぎで倉庫に入る。

 倉庫は鍵がかかっておらず、すぐに中に入る事ができた。倉庫の中は、真っ暗であったので長四郎はすぐに懐中電灯を点ける。

 明かりが最初に照らしたのは、即死した鈴木の死体であった。

「おい、マジか!?」

「犯人は?」燐がそう言った瞬間、倉庫の裏手のドアが開く音がした。

「ラモちゃんと泉ちゃんはここに。行くぞ!」

「御意!!」

 遊原巡査は長四郎にそう返事をし、先に逃げたであろう犯人を追っていく。

「あ、待て! この野郎!!」

 先を越された長四郎は大慌てで、遊原巡査を追いかけるのであった。

「行っちゃった・・・・・・」

 勢い任せに犯人を追っていた男二人に呆気に取られていると明野巡査が「燐ちゃん。これ、何だと思う?」と明野巡査は床に転がっている物を指差して燐に尋ねる。

「え? 何」

「これぇ~」と指さす明野巡査。

 燐はそれを拾って詳しく見る。それは、社章のようなものであった。

「社章かな?」

「じゃなくて、何で触っちゃうのよ」

「ああ、ごめん。でも、よく見えないから。それより、応援要請した方が良いんじゃない?」

 明野巡査にそう提案する燐に言われるがまま明野巡査は応援要請の電話をかけ始める。

 燐はその隙に、鈴木の死体を検め始める。

 鈴木は仰向けに倒れており、胸に一発で仕留められたことが伺えた。

 そして、死体の様子から争った形跡は見られず燐は顔見知りの人間による犯行であると燐は考えた。

 そして、死体に手を合わせてからズボンのポケットとかをまさぐり、、事件に繋がりそうな物がないかを探る。

 だが、事件に繋がる目ぼしい物はなかった。

「ないか・・・・・・」燐は舌打ちし、悔しがっていると「なんか、変な物見つけた?」と犯人を追っていった長四郎が戻ってきた。

「いいや。諦めが早いんだね」

「じゃかぁしぃ。逃げ足が速かったんだよ」

「ふ~ん」

「ラモちゃん。応援要請はしてくれた?」遊原巡査が燐に聞くと「今、泉ちゃんがやってる」と答えた。

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