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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第参拾弐話-隠密
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隠密-26

「よしっ! 行くぞ!!」

 長四郎はスルスルと、ロープを伝っていきビルビルの間を渡っていく。

「じゃ、行きます」

 続いて明野巡査がビルの間を渡る。

「アナタノバン」

「だ、大丈夫なんですよね?」

「アンシン。アンシン」と安心安全である事を強調する湾。

「ホントにぃ~」穿った目で湾を見る遊原巡査に「祐希ぃ~ 早くぅ~」と明野巡査が急かす。

「オトコナラサッサトイク!」

 ドンっと背中を叩かれた遊原巡査は深呼吸して覚悟を決め、取り敢えず、真正面だけを向いてロープを伝っていった。

「はい。ゴール!」長四郎はよくできました。と言わんばかりに拍手を送る。

「し、死ぬかと思った・・・・・・」

「そんな大げさな」と言いながら明野巡査は遊原巡査の背中を擦る。

「お二人さん、行ける?」という問いかけに二人は「はいっ!」と答えた。

 そして、屋上に通ずるドアを開けようとするが鍵がかかっていた。

「どうするんですか?」

「泉ちゃん、そう言うときは、こうするのよ」長四郎はズボンに引っ掛けたキーチェーンに付いているピッキング棒を鍵穴に刺して10秒もかからずにガチャンと鍵を解除した。

「お見事!」

 明野巡査、遊原巡査共に長四郎に拍手を送る。

「ありがとう」

 長四郎は礼を述べながら、ドアを開け中へ侵入した。

 階段に明かりは点いてなく長四郎は持参したLEDライトを点灯させながら階段を降りていく。

 すると、明かりが点いているフロアに近づいて来たので長四郎は明かりを落とし、物音を立てないようゆっくりと階段を降りる。

「はい。仕入れの方は大丈夫かと思います」

 階段に通ずる入口から中を覗くと男が電話していた。

「どうするんですか?」明野巡査が小声で長四郎にお伺いを立てる。

「どうするも何も殴りこむよ。良いか。今から3カウントするからそれと同時に入るぞ」

 刑事二人は声を出さずに頷いて返事をする。

「1,2の3!!」

 長四郎が先陣を切って中に入る。

「な、なんだお前たち!」

 戸惑う男に答える前に長四郎は懐からガバメントを取り出し、男の目に向かって発砲した。男は両目を抑えて倒れ込んだ。

「探偵さん!」

「安心せぇ。水鉄砲だよ。目がスースーする液体入りのな」

「暴行罪です!」

「泉。ここで言い争っても仕方ない。探偵さん、先制攻撃は控えてください」

「御意。Mr.遊原」と懲りてないような返事をする長四郎は先へと進んでいく。

 そして、先を進んで行けば行くほど予想に反して人数が多かった。

 相手も木刀や金属バットを武器に長四郎達に襲い掛かるがことごとく返り討ちにあうのであった。

「探偵さん。人、多くないですか?」

「そぉ?」

 明野巡査の発言をはぐらかすような返しをする長四郎にナイフを持った男が立ち向かってくる。

 長四郎はそれを華麗に躱し、男の目にメンソール系の液体をかけた。

「ぐわぁ~」男は両目を抑えて地面に崩れ落ちた。

「死ねぇ!!」

 物陰から急に姿を現した男が三人に向けて発砲した。

 三人は散り散りに物陰に身を隠す。

「今のって・・・・・・」長四郎はサッと顔を物陰から顔を出し相手を確認する。

 そこに居たのは、鈴木兼近であった。鈴木は顔を出した長四郎は目掛けて銃弾を放つが長四郎の頭上を掠めただけで当たりはしなかった。

「クソッ!!」

 鈴木は戦略的撤退を選び、そのまま逃亡した。

 銃弾の雨が止んだのを確認してから、三人は追撃を開始する。

 しかし、鈴木は逃げ足が早くビルの前に駐車していた車に乗り逃亡する。

「どうします? 逃げられますよ」明野巡査が悔しがるように言うと、背後からドルゥゥゥンという腹に響くバイクのエンジン音が聞こえてきた。

「泉ちゃん。安心しな。ここからはラモちゃんのショータイムだ」

 サングラスをかけハーレーに跨った燐が三人の前を颯爽と駆け抜けていった。

「俺達も追おう!」

 遊原巡査にそう言われた二人は急いで車が駐車してある駐車場へと向かった。

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