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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第参拾弐話-隠密
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隠密-24

 燐、明野巡査、遊原巡査は、長四郎から頼まれた事を調べる為に奔走していた。

 燐と明野巡査は宮沢が通う東京大学大学院に行きそこで身辺調査を行い、遊原巡査は麻薬取締部に変った動きは無いかの監視をしていた。

 そして、長四郎は横浜中華街に潜伏しながら、トォォルン製造工場の壊滅に繋がる情報を探っていた。

 それから、一週間が経過した。

 長四郎から招集の要請があり、燐達は長四郎の隠れ家である中華料理店を訪れた。

「さ、ここへ呼び出した理由。分かるよね?」長四郎がそう切り出す。

「工場を潰す算段が付いたんですか?」遊原巡査がそう聞くと、長四郎がコクリと頷いて認めた。

「で、いつ殴りこむの?」

「チンピラ女子高生。ま、落ち着け。それで、頼んでいた事の報告が聞きたいんだけど」

「じゃあ、私から」と明野巡査が挙手して話し始めた。「宮沢学は、東京大学大学院の薬学研究科・薬学部に在籍しているのは間違いないです。学生たちからの評判ですが、気味が悪い程、皆、彼を誉めます」

「文武両道的な生徒って事か・・・・・・」

「はい」

「他には?」

「北条については何も知らなかったよ」と燐が報告した。

「そんな事、聞いたの?」

「うん。私の美貌をもってすれば、チョロイ、チョロイ」

 燐はそう言うと、ガハハハッと高笑いした。

 大人三人、なんて、性格の悪い奴なんだ。そう思った。

「次は俺」

「どうぞ」明野巡査は遊原巡査に発言を譲る。

「俺の方はですね。清栄本部長に目をつけていたんですが」

「大した情報はなしか・・・・・・」

「はい。でも、麻薬取締部の中で、約一名変な動きをしている職員を見つけましてね」

「ほぉ~ どんな奴?」

「こいつです」

 遊原巡査は、宮沢と接触する職員の写真を長四郎に見せた。

「連絡係かな?」

「泉。ご明察」と遊原巡査は明野巡査に拍手を送る。

「ありがとう」少し気恥ずかしそうにする明野巡査。

「で、その連絡係は何を連絡してたの?」

「さぁ?」

「ダメじゃん」燐は辛辣な言葉を浴びせる。

「ラモちゃん。それは失礼だよ。遊原君、ありがとう」

「で、あんたは何してんの?」

「俺? 俺はゴニョゴニョしてたよ」

「何、ごにょごにょゴニョって」

「燐ちゃん。そこにツッコまなくて良いから」

「探偵さん。あの工場をいつ潰すんです」

「今日の夜」

「でも、三人だけって。心もとないですね」

「泉ちゃん、私のことを忘れてない?」

「え? 付いて来るの!?」

「前にも言ったでしょ? 私はこういうのに慣れているから」

「そら、ハーレー乗って、敵を倒すんだから。そう言うよね」

 長四郎が言うこの話について知りたい方は、第弐拾玖話-対決を読んでね。

「そんな事してるの!?」

「何も驚くことじゃないだろ。寧ろ、俺は納得しちゃったよ」と遊原巡査が言う。

「良かったね。ラモちゃん、納得してもらって」

「そこじゃないでしょ? 四人でどうするの?」

「一人増えたのに随分、弱気じゃないの」

「そ、そんな事ないけど。どうせ、相手は武器を持っているでしょ? そこを心配してるの!」

「ふ~ん」長四郎が小刻みに頷きながら、適当な相槌を打つ。

「なんか、凄いバカにされたみたいなんだけど」

「そんな事はござらんよ」

「今日は手薄な日とかって言うんですか?」明野巡査がそう問うと長四郎は指をパチンっと鳴らして「正解!」と答えた。

「ここ数日、観察して分かったのは水曜日の今日は、あそこに居る人間が手薄になるんだ。その隙を狙って奇襲をかける。泉ちゃんと遊原君は万が一の為に拳銃用意しといたほうが良いよ」

「急にそんな事言われても困ります。ねえ、祐希」

「班長が携行できるよう申請していると思うから、俺達は警視庁にいったん戻ります。また、来る時、連絡しますから」

「おう。宜しく」

 遊原巡査と明野巡査は警視庁へと戻っていった。

「でだ。ラモちゃんには重要な任務がある」

「任務?」

 戸惑う燐を見て、長四郎はニヤリと笑うのであった。

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