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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第参拾弐話-隠密
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隠密-22

「命を狙われた?」

 大島は驚いた反応を示した。

 覆面の男達から何とか逃げ切れた長四郎は、大島をある隠れ家的な場所に呼び出した。

「ええ、結構な手練れでした。反撃が上手くいかなければ私も今頃は・・・・・・」

 長四郎は自分の首を掻っ切るジェスチャーをして見せる。

「まさか・・・・・・」

「まさかって言いますけど、山戸霧子さんは殺されたんじゃないでしょうかね?」

「そんなこと」

 そんなことある訳がない。大島はそう言いたかったが、霧子と連絡が取れない今の状況でそう言い切れる自身がなかった。

「命が惜しいのでね。これから言う条件を飲んで頂けるのであれば、調査を続けます」

「条件、ですか?」怪訝そうな顔で長四郎言う条件について大島は質問した。

「はい。その条件とは」

 条件内容の凄さに大島は、驚愕するのであった。


 長四郎が姿を消して、三日程が経った。

 一切、連絡も取れなくなり燐達は本来の捜査を忘れ長四郎の捜索に躍起になっていた。

「どうだった?」

 燐は合流した明野巡査に結果を尋ねると、明野巡査は首を横に振って答える。

「ダメか・・・・・・」

「燐ちゃんの方は?」

「ダメ。あいつの居そうな場所を当たってみたけど・・・・・・」

「どこ行っちゃったんだろ? 探偵さん」

「泉ちゃん。それを考えても仕方ないよ。多分、誘拐されたんだと思う」

「どうして、そう思うの?」

「勘。探偵の勘よ」

 この子は、誘拐であれば事の重大さが分かっていない。明野巡査はそう思いながら「誘拐だったら、誰に誘拐されるの?」と聞いた。

「う~ん」と少し考えてから燐は発言した。

「こいつ、とかかな?」

 燐は鈴木と接触している時に撮影した宮沢の写真を見せた。

「今頃になって見せないでよぉ~」明野巡査はサラッと嫌味言いながら、宮沢の顔を確認する。

「いや、でもなぁ~」

 燐は宮沢のその風貌から、拉致などという野蛮な事をするような人物に思えなかった。

 もっと早くに拉致をしているはず。それに敵の全貌が見えない今の状況で迂闊にこの男を追うのはリスクでしかない。燐はそう考えていた。

「取り敢えず、この男を探そう!」明野巡査は居ても立っても居られないみたいな感じで動き出す。

「待って!!」燐は明野巡査の腕をガっと掴み、それを止める。

「なんで、止めるの?」

「何かがおかしい。ここで、安易に動くとすっごい目に合いそうな気がする」

「何それ?」

「ここで、むやみに動くとあのバカと同じ二の舞になる感じがするの」

「ラモちゃんの言う通りだ」ここで、遊原巡査が合流した。

「祐希まで、燐ちゃんの味方するわけ?」

「そうカリカリすな。班長がそのことで俺たちを呼んでいるの」

「班長が?」

 斯くして、三人は警視庁庁舎へと戻った。

 部屋に入ると、「お帰り」佐藤田警部補はそう声を掛けた。

「只今、戻りました」と遊原巡査が返事をする。

「班長、今までどこで何をしていたんですか?」明野巡査がすぐに質問した。

「ま、順に話をするから、座りなさい。女子高生探偵もね」

 佐藤田警部補にそう言われた燐の顔はほくそ笑むのであった。

「全員席に着いたな。じゃ、話すぞ」

 佐藤田警部補は部屋に設置されたモニターに写真を映した。

「この人は?」

「北条恒。日本の政界で暗躍する悪党だ」

 遊原巡査の質問に答えた佐藤田警部補は次の写真を映した。

「あ、こいつ!!」燐がいの一番に反応した。

「知っているか。こいつは、北条恒の屋敷で書生をしている宮沢学だ。この宮沢がトォォルンをばら撒いている元締めってところかな?」

「祐希。書生って何?」

「お、俺に聞くなよぉ~」

「燐ちゃん。分かる?」

「学生の事でしょ」と大雑把に答える燐。

「学生かぁ~」

「あの、若人三人衆。話を続けても?」

「あ、すいません。お願いします」と遊原巡査が謝罪する。

「そんで、元締めは宮沢だが」

「薬の製造は、北条恒の仕業って事ですか?」

「そういう事、流石は名探偵」

「褒めて頂きありがとうございます」

「それで班長、このことが探偵さんの行方とどう関係あるんですか?」

「それは」

「それは?」

「明日の話で、明らかにしよう」

 若者三人は椅子からズッコケるのであった。

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