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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第参拾壱話-誤報
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誤報-17

「ラモちゃん!!」

 絢巡査長は燐の元へ駆け寄る。

「絢さん、遅いですよ」燐は平然とした声で絢巡査長に向かって告げる。

 絢巡査長は燐が置かれている状況を確認した。燐は寸でのところで、ナイフをガッチリと握り刺さるの回避したが、ガッチリと握り締めている右の掌からは血が流れていた。

 三澤の足を足蹴し地面に倒して、「19時20分、傷害容疑で逮捕する!!」絢巡査長は腕時計で時間を確認しながらそう宣言し三澤の手に手錠を掛けた。

 三澤はすぐに連行されることなく、大会議室で事情聴取をされることになった。

「どうも、お待たせしましたぁ~」

 長四郎は吞気に大会議室へと入ってきた。

「おっ、主役の登場やね」一川警部がそう言うと「主役は私!!」と包帯でぐるぐる巻きになった右手を長四郎に見せつけながら一川警部の発言を訂正しようとする。

「あ~あ、人の言うこと聞かないから怪我するんだよ」長四郎は燐の挙げている右手に向かってハイタッチをした。勿論のことだが、燐は痛みに耐えきれるわけもなく悶絶しながらその場にしゃがみ込む。

「痛そう」そんな燐を見た長四郎はそう感想を述べ、項垂れて椅子に座っている三澤に目を向け声を掛けた。

「探しましたよ。三澤さん」

 その問いかけに三澤は答えず、コクっと頷いて答えるだけであった。

「すいませんね。自称、主人公が驚かせちゃったみたいで」

「いえ、こちらこそ怪我を負わせてしまい申し訳ございませんでした」

「いえ、良い薬になったと思うので、気にしないでください」

「そんな訳には」

「あ、違う、違う。こんな話をしたくて来たんじゃないんだ」と長四郎はここへ来た目的を思い出し「俺の推理、聞いて頂けます?」と三澤に告げた。

「え?」どう返事すれば良いのか分からない三澤は戸惑いの表情を見せる。

「ま、そうなるのは当然のことなので、こっちが勝手に喋りますから間違いがあれば都度、訂正してください」長四郎はそう前置き自分の推理を語り始めた。

「今回の事件の起因は、フリーアナウンサーの玉原南海さん、そして、殺害されたプロデューサーの復讐にあります」

「その通りです」三澤は素直に認めた。

「自供して頂きありがとうございます。で、プロデューサーを殺害した方法何ですがね」

 長四郎は生前のプロデューサーが倉庫に入って行くのを確認していた。

「プロデューサーさんは、出雲さんに呼び出されそこで殺害された。背後から闇討ちでも仕掛けたのか。そこは定かではありませんが取り敢えず、扼殺しその遺体を貴方が用意したキャリーケースに詰め込んだ。管理担当の三澤さんですから、隠す方法はいくらでもあったかと」

「探偵さんの言う通りです。伊緒がプロデューサーを殺しました。倉庫の奥には防犯カメラもなく死角になっていて映る心配もなかったので」

「その言い方だと、何度か練習されましたね」

「はい」

「はい。って、なんで伊緒さんまで殺さなきゃいけない訳?」

「だから、俺は殺してない!!」燐の発言をすぐに否定すると「ラモちゃん。少しの間、お口チャック!」長四郎はジェスチャーでファスナーを閉じる動作をして燐を黙らせる。

「ごめんなさい。俺は三澤さんが殺したとは思っていませんから、ご安心を」

「え?」異論があるのか燐が口を開くと長四郎にギッと睨まれ燐は下を俯いてごめんなさいの意を体現する。

「続けますね。死体の入ったキャリーケースは貴方が隠していた場所からスタジオへ移動した。そして、スタジオでも誰にも触らせないよう監視をし、番組コーナーが始まり貴方がキャリーケースをスタジオステージに運ぶ。そして、そのキャリーケースを玉原南海が開けて貴方は逃亡する手筈だった。しかし、出雲さんは違った」

「はい」

「長さん、どういう事です?」絢巡査長が説明を求める。

「出雲伊緒さんは第二の殺人事件を計画していた。殺害場所は、あの倉庫だ」

「つまり、返り討ちにあって殺された。そう言う事ですか?」

「そう言うことですよね? 三澤さん」

「はい。そうだと思います。探偵さん一つ聞いて良いですか?」

「何でしょう?」

「いつから、私が怪しいと思っていたんですか?」

「それは・・・・・・」

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