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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第参拾壱話-誤報
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誤報-5

「あ、長さん! ラモちゃんも!!」

 テレビ局へ臨場した(あや)巡査長が長四郎と燐に声を掛ける。

「絢さん。明けましておめでとうございます」

「おめでとう。新年早々、事件に遭遇するなんて大変だったね」

「ホントに」

「ねぇ、一川さんが今、どこに居るか。分かる?」

「俺達も探しているの。電話したの?」

「はい。したんですけど、話し中で」

「ああ、はいはい」何かを察した長四郎は相槌を打つ。

「何が分かったの?」

「ラモちゃんは知らないと思うけど、恐妻家持ちなのよ。だから、正月休み抜け出して怒られているんじゃない? 奥さんも警察官なのにね」

「そんな事より、犯人分かりそうですか?」

 絢巡査長は来て早々にド直球の質問をした。

「分かんないね」長四郎はそう言って、首を竦める。

「絢さん。事件発生時ってテレビで見てました?」燐は事件とは関係ない質問をした。

「ラモちゃん、そんな事はどうでもいいの。犯人見つけないと」

 やる気のないはずの長四郎が燐を窘める。

「ちょっと、お二人さん。先に話進めないで。今、分かっている事を教えてくれますか?」

「あ、はい」二人同時に返事をするのだった。

 三人はテレビ局にある食堂へと場所を移し、お茶をしながら絢巡査長にここまで分かっている事を説明した。

「成程ねぇ~ 玉原って結構、有名な人だよね」

「そうなんですか?」燐は知らないといった顔になる。

「今の若い子がテレビを見ないって言うのは、ホントなんだね」長四郎は感心めいた言い方をする。

「な、割には話を聞きに行った時、テンションが低かったじゃない」

「当たり前だろ。可愛い女優さんであればテンション上がるんだけどねぇ~」

「観覧の時もそんなにはしゃいでいなかったじゃん」

「二日酔いの中、はしゃげるか」

「長さん、大丈夫ですか?」

 二日酔いの辛さが分かる絢巡査長が気遣うと「大丈夫。少しは抜けてきたから」と言いながら嗚咽を漏らす。

「わざとらしい」燐は長四郎の脇腹を小突いた。

 お茶が終えるタイミングで番組プロデューサーから、キャリーケースの保管場所についての連絡が来たので、三人はキャリーケースが保管されていたスタジオの倉庫を訪れた。

「ここだったら、殺しても不思議ではないよねぇ~」

 燐は倉庫に安置されている備品を見ながら一人納得していると、倉庫の管理を担当している社員が来た。

「どうもぉ~」長四郎は社員に挨拶しながら、近づいていく。

「あのなんでしょうか?」正月休みの中、呼び出された事で不機嫌なのか顔をしかめながら用件を尋ねる。

「ここの管理を担当されているんですよね?」

「はい。そうですけど、私は事件に関係ないですよ」

「存じてますよ。ただ、ここはテレビ局員、タレント、外部の委託社員とかの出入りは容易いんでしょうか?」

「そうですね。局に入れば誰でも」

「施錠の方はどうなっているんでしょうか?」

「ここに入って来る時にも使用されたと思いますが、カードキーがいるんですよ」

「そのカードキーは専用の物じゃないとダメなんですか?」

「そんなことは、入館証のカードキーで空きますから」

「セキュリティガバガバじゃん」燐がズケズケと物を言う。

「ラモちゃん」絢巡査長はメっといった顔で注意する。

「まぁ、でもここはひっきりなしで人が出入りしますから。それに」

「それに?」長四郎が復唱する。

「それに仲のいいタレントさんとここに出入りするスタッフも居るんですよ」

「ふ~ん」長四郎はコクリコクリと相槌を打ちながら空返事をする。

「ねぇ! これ、凶器じゃない?」

 倉庫をウロウロしていた燐が、凶器らしき物を見つけた。

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