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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第弐拾捌話-御祭
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御祭-23

 翌日、長四郎は国巳豹牙の住むマンションの前に居た。

 今日から高校の授業が再開される日であり、国巳が体調を崩していない限り登校するはずだと長四郎は踏んでいた。

 その考えは見事に的中した。

 長四郎がマンションの前に立つこと10分が経過した頃、国巳が出てきた。

「おはよう」

 国巳に挨拶すると「おはようございます」と笑顔で挨拶を返してきた。

「これから学校でしょ?」

「はい」

「じゃあ、一緒に行っても良いかな?」

「それは構いませんが」

「じゃ、行こう」

 長四郎と国巳は学校に向かって歩き始める。

「今日は、何を聞きに来たんですか?」国巳から話し始めた。

「自ら質問してくれるとは、嬉しいねぇ~」そう前置き「実は俺の推理を聞いて欲しくてさ」と長四郎は答えた。

「推理ですか?」

「通学中の暇つぶしには持ってこいなんじゃないかな?」

「はぁ。でも、僕が聞いても良いんですか?」

「だって、君が開発したホッバーが悪用されたんだよ。気になるでしょ」

「まぁ、そう言われると知りたいですね」

「でしょぉ~ 話しても?」

「どうぞ」

 国巳の許可をもらい、軽く咳払いをして長四郎は話し始めた。

「最初に言うと、犯人の目星はついているんだよね」

「へぇ~」と言いながら、国巳は興味津々に相槌を打つ。

「犯人知りたくない?」

「知りたいです」

「それは教えないけど。ヒント」

「ヒントですかぁ~ 教えてくださいよ」

「聞いて驚けぇ~ 犯人は教師の」

「教師の」

「教師の○○ちゃん。だ」

「肝心な事は教えてくれないんですね」

「逃げられないために敢えて伏せておくの。あ、それとさホッバーに不正なアクセスとかなかった?」

「無かったと思いますけど」

「そうか」

「調べますか?」

「お願いできる?」

「はい」

「お願いついでに不正なアクセスをしていた人間を調べてもらえないかな?」

「分かりました。任せてください」

 国巳は胸をトンッと叩いて、自身に気合いを入れる。

「ありがとう。じゃ、話の続きを」

「はい」

「犯人の動機は、ある先生への復讐だったんだよ」

「復讐ですか?」

「とは言っても、身勝手なものだけどな」

「身勝手ですか? どんな理由ですか?」

「昔、嫌いだった先生に似ているからっていう理由だよ」

「最低ですね」

「そうだろ?」

「人として有り得ないです。で、犯人の先生の名前は?」

「生田成美先生。あっ」

 失言した長四郎は咄嗟に口を抑える。

「今のは聞かなかった事にします」

「ありがとうございます」

 長四郎は斜め45度のお辞儀をし、感謝の意を述べる。

 そんな事をしていると、校舎が見えてくる場所まで来ていた。

「話聞いてくれて。ありがとう」

「いえ。いつでも話に来てください」

「嬉しいなぁ~ そんな事を言われるの始めてだから。あ、ホッバーの不正なアクセスの件、調べといてね。じゃ」

 長四郎はそれだけ言うと、嬉しそうにスキップしながらどこかへと向かっていった。

 国巳は長四郎の姿が見えなくなると、ズボンのポケットからスマホを取り出し、操作を始めた。

「バカで助かったな」

 満面の笑みを浮かべる国巳はながらスマホをして、高校へと歩を進めた。

 そして、長四郎はというと。

 国巳から見えない位置に移動し、通話していた。

「上手いこといきましたよ。ええ、はい。いやいや、快く協力を買ってくれましてね。はい、はい。あ、分かりました。自分は仕上げの準備に取り掛かろうと思います。あ、ラモちゃんの面倒見といてください。はい、宜しくです」

 通話を終了させた長四郎は、ふぅーと息を吐き来た道を戻り始めた。

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