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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第弐拾捌話-御祭
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御祭-8

 警視庁へと帰庁した佐藤田警部補は、命捜班の部屋には戻らず鑑識課へと向かった。

 鑑識課の扉を開け目的の人物を探していると、その人物はすぐに姿を現した。

「あら、佐藤田さんじゃない。どうしたの?」

 そう話し掛けたのは、鑑識課の八雲(やくも)警部補だった。

「いやね。ほら、高校で爆破事件があったでしょ? あれの鑑識課の報告が聞きたくてさ」

「報告って。佐藤田さん、いつから刑事みたいな事をするようになったの?」

「刑事みたいって言うけどね、刑事なんだよ。こう見えても」

「そうだったのね。これからは頭の片隅にでも入れておくわ」

「それで、事件の事なんだけど・・・・・・」

「使われたのは、市販の打ち上げ花火ね。」

「打ち上げ花火?」

「そう。それを六個同時に起爆させた」

「時限式?」

「ええ、簡易的なものだけど、ご丁寧に自動発火装置が使われてたわ」

「珍しい物なの?」

「いえ、市販されているものだけど。溶接用バーナーとかに使うものだから、一般の人は買わない物にはなるわ」

「成程。ありがとう。ああ、それとさ、その自動発火装置は簡単に手に入るの?」

「佐藤田さん。今はネット通販の時代よ。簡単に手に入るわ。高校生でもね」

 八雲警部補はそう言って、部屋を出て行った。

「通販ね。取り敢えず、探偵さんに連絡っと」

 スマホを取り出した佐藤田警部補はそこで気づいた。

 長四郎の連絡先を聞かなかった事を。

「フッアックショーン!!!」

 長四郎の盛大なくしゃみが、廊下に木霊した。

「変なくしゃみしてどうしたの?」

「ラモちゃん、良い質問するね。多分、俺が格好いいとかなんとかどこかで噂されているんだよ」

「泉ちゃん。こいつの言う事は基本真に受けなくて良いから」

「分かった」と答える明野巡査は、ドヤ顔の長四郎を見て笑ってしまうのだった。

「やっと、笑ってくれたな」

「え?」

「いや、事件が起きてからずっと眉間に皺寄せた顔してたからさ。思わず、室井さぁ~んって呼びそうになっちゃったよ」

 長四郎は某俳優さんのモノマネを披露して見せる。

 だが、明野巡査は何のモノマネをしているのか分からず、苦笑して見せる。

「こいつのモノマネとか出てくるワードとか古すぎてよく分からないでしょ?」

「ラモちゃんも分からないんだ。良かった。分かってたら、どうしようかと思った」

「そんなの気にしていたら疲れますよ。で、変なロッカーってどれよ?」

 燐にそう聞かれた長四郎は眉間に眉を皺を寄せ「こっちだ」とこれまた某俳優のモノマネをしながら、二人をロッカーへ案内する。

 ロッカーは校舎の隅に置かれており、今にも廃棄されそうな年季の入ったロッカーであった。

「これが、受け渡し場所なの?」

「なんだと」燐の質問に素っ気なく答える長四郎。

「鑑識、呼びますね」明野巡査が電話をかけようとする手を掴む長四郎。

「何するんです?」

「鑑識呼んでも意味はないよ」

「どうしてですか?」

「どうしてって。俺が言った事忘れた? ここのロッカーを使っている生徒は」

「九割ですよね。でも、その中に犯人が」

「そんな訳ないでしょ。犯人は、ホッバーを作った奴だろうな」

「ホッバーを作った奴? つまり、この学校の生徒って事?」

「あるいは、卒業生。使っている人間はこの学校の人間なのは間違いないんだ。で、ここからが大変なんだ。どうやって、ホッバーの製作者にたどり着くかだ」

「そんなの大元のサーバーの契約者を調べたら分かるんじゃない?」

「ラモちゃん。学校が舞台だと冴えているねぇ~」

「あんたが冴えていないだけよ」

「探偵さん。ホッバーについて調べてもらいましょう」

「泉ちゃん。やる気満々だな」

「当たり前ですっ!!」

 明野巡査は顔をキリッとさせて、本庁に連絡した。

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