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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第弐拾漆話-大物
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大物-23

 光議員を救出した長四郎達は追っ手から逃げる為に、本牧埠頭まで逃げひと段落ついた状態にであった。

「ありがとうございました」光議員は二人に助けられた礼を言う。

「いいえ。間一髪、間に合って良かったです」

「助けてもらって何なんですけど、あなた方は?」

「申し遅れました。探偵の熱海です。こちらは」

「女子高生なんですよね?」

「え? どうして分かるんですか?」

「それは・・・・・・」それはこの人が言っていたからという目で光議員は長四郎を見る。

「あんた、本当に口が軽いのね」

「軽くはないよ。どうせ、バレるんだから良いじゃん」

「この小説の売りの一つなんだから、気安く扱わないで欲しいんだけど」

「すいません」

「それで、なんで探偵さんがあの場に?」

「その事なんですけどね」長四郎が待ってましたと言わんばかりの顔で、光議員の身に危険が及んでいる事を言おうとすると「光さん、命を狙われているんですよ」と燐が先に言ってしまう。

「何かの冗談ですよね?」

 突拍子もない事に驚きを隠せない光議員。

「でも、光先生。先程、拉致されそうになったでしょう?」

「それはそうですけど。でも、なんで?」

「大物フィクサーが新カジノ法案を可決されるために、邪魔な貴方を消そうとしているんですよ」

 長四郎は海を眺めながら、真実を伝えた。

「そんな・・・・・・」

「でも、安心してください。私達がそんな事させませんから!!」

 燐は任せてくださいという意味で胸を張る。

 それを見て恥ずかしさのあまり長四郎は手で顔を覆い隠す。

「その大物フィクサーについて、教えて頂けますか?」

「それを知ってどうするんですか?」

 長四郎の問いかけに「それは・・・・・・」と答えに詰まる光議員。

「それでなんですが、光先生の身柄を暫くの預からせて頂きたいんですけど」

「え?」

 突拍子もない長四郎の提案に、光議員は戸惑いを隠せない。

「そういう事は先生ではなく、秘書の方に聞いた方が良いですよね。あれ? 秘書の方ってあの場に居ました?」

「いいえ。忘れ物をしたとかで、先に私が車に」

「そこで、襲われた?」燐に聞かれた光議員はコクリと頷いた。

「まぁ、ここじゃ何ですから迎え寄越しますので後で構いませんので、秘書の方の連絡先をお教え頂けますか?」

「はい。分かりました」

 勝手に話を進める長四郎に少しイラッとしたが、光議員は渋々了承した。

 光議員を保護して三日が経過した頃、長四郎は初めて光議員の秘書・並谷 駆(なみや かける)と会うために新宿駅へ来ていた。

 新宿駅内にあるコインロッカーの前で並谷が来るのを待っていると「探偵さんですか?」と声を掛けられたので振りむくと並谷と思われる男が立っていた。

「あ、どうも」長四郎は男に一礼して挨拶した。

「どうも。私、光希望の秘書をしております」並谷は名刺を取り出しながら挨拶してくるので長四郎は「ここじゃ何ですから。挨拶はその時に」と名刺をひったくるように受け取る。

 二人は駅を出て、歌舞伎町にあるカラオケボックスへと入店した。

 カラオケルームに入ると同時に、「ご迷惑をおかけして申し訳ございません」と長四郎の謝罪から話は始まった。

「いえ、先生が命を狙われていると聞いた時は驚きましたよ」

「ま、そうでしょうね」

「それで、先生は今、何処に?」

「気になりますよね? 安心してください。先生は無事ですから」

「それは分かっています。先生は今、大事な時なんです。他の議員先生の方々と打ち合わせがありますし」

「そうですよね。うっかりしてました。すいません。あ、ペンあります?」

「ああ、ありますよ。どうぞ」

 並谷はジャケットのポケットに挿しているボールペンを手渡すと、「お借りします」と言って長四郎はナプキンに光議員の居場所を書き記してそれを渡した。

「ありがとうございます。ここに行っても?」

「構いませんよ。ただ、貴方も狙われているかもしれないので尾行されないように」

「分かりました。では、私は先生の所へ向かいますので失礼します」

 並谷は長四郎に一礼し、部屋を出て行った。

 それを見送った長四郎は、こう呟いた。

「鬼が出るか蛇が出るか・・・・・・」

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