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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第弐拾陸話-返金
483/758

返金-20

 廃工場に監禁されてから、一時間が経過しようとしていた。

「ねぇ、お茶とか出ないの?」

 長四郎は監視役のお兄さんに話しかける。

「黙ってろ」

「黙ってろって。釣れないなぁ~」

「黙ってろ」

「それしか言えないの? 参ったなぁ~」

 困ったといった顔をし、長四郎は足を組んで司令塔が帰って来るのを待つ。

 そんな中、廃工場の敷地内に一台の車が入って来る。

「ねぇ、ここに座っていた人は?」

「知るか。お前、黙っていないと痛めつけるぞ」

「ええ~ 綺麗な顔に傷がつくのは、嫌だなぁ~」

 長四郎がそう言うと、胸倉を掴まれる。

 殴られるか。そう思った時、部屋の中に司令塔の男が吹っ飛ばされるような形で転がり込んできた。

 その隙に、長四郎は胸倉を掴む手を捻って男を床に倒す。

「ったく、遅いですよ。一川さん」

「ごめん、長さん。応援呼ぶのに時間掛かったもんだから」

 一川警部がそう言うと同時に、別の部屋でスタンバイしていた強面の男達が騒ぎを聞きつけ長四郎達が居る部屋へと入ってきた。

「時間ですか!」

 背後から自分の事を襲うとしてきた男に裏拳をかまして、倒す長四郎。

「で、応援の警察官はどこですか?」

「え? それはえ~っとぉ~」

「ま、良いですわ。それじゃあ、気合いを入れていきますか。さぁ、ここからがハイライトだ」

 長四郎はそう言って、一川の光り輝く頭を持ち若いお兄さん達に見せつける。

「ピッカーン!!」

 一川警部がそう言うと、若いお兄さん達は意味が分からず凍りつく。

「隙あり!!」

 長四郎は隙だらけの敵陣に向かって、飛び蹴りをお見舞いする。

 まず最初に、長四郎の真正面に立つ若いお兄さんが飛び蹴りの餌食なった。

 間髪入れずに一川警部が警棒を武器に、長四郎が倒した相手の横に立つ相手を殴りつけて地面に倒す。

「うわっ! 鈍器で人殴ってるよ。国家権力、恐るべし」

 長四郎は自分を羽交い締めにするお兄さんの鳩尾に蹴りをお見舞いして、身体から引き離す。

「長さん、そげなこつ言うなら使うかい?」

「いや、俺にはこれがあるんで大丈夫です」

 長四郎はズボンに付けたホルスターから折り畳み式のブーメランを取り出す。

 パチンっと、音を立ててブーメランモードに変形させ、若いお兄さん達に向けて投げつける。

 投げられたブーメランは、弧を描きながら若いお兄さん達の髪の毛を綺麗に剃っていき磯野波平さんの髪形に変えていく。

「長さん、やるぅ~」

 感心する一川警部の頭上をブーメランが掠め通る。

「あ、あたしの髪の毛が!!」

「髪の毛あったんすか? ピッカーン頭なのに」

 長四郎は手元に戻ってきたブーメランを畳み、ホルスターにしまう。

「そう言えば、そうね。って、失礼な!!」

「どーも、失礼しました」

「ほんと、失礼しちゃう」

 長四郎と一川警部が、くだらない会話をする傍らには、髪形が波平さんになり戦意喪失した若いお兄さん達が互いを見て涙するのだった。

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