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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第弐拾陸話-返金
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返金-7

「さ、気合いを入れて調査するよ!!」

 燐は信号待ちの間にストレッチしながら、気合いを入れる。

「ラモちゃん。気にならなかった?」

「何が?」

「いや、それなら良いや」

「でも、あの組対の人。知っているようで知らないからなんかモヤモヤしちゃった」

 長四郎は上手いこと、はぐらかされたんだよと思いながら、黙ったまま信号が変わるのを待つ。

「さ、行くぞぉ~」

「何処に?」

 信号が変わり歩き出す燐に行き先を尋ねる。

「何処って、あの会社よ」

「え~ 物好きだな。なんで、危険な場所に戻る訳?」

「現場百回って言うじゃない」

「多分、そういう意味じゃないと思うぞ」

「ねぇ、文句あるならさ、一つでも提案しなさいよ」

「暑いから嫌だぁ~ 病むぅ~」

「何が病むぅ~よ。良いから、行くよ」

「へいへい」

 燐に言われるがまま、例の会社へと向かう。

 長四郎が暑いだの、歩きたくないだの、電車で行くのは嫌だなどの駄々をこねまくるので燐がタクシー代を支払う形で何とかタクシーに乗せ、会社へと向かう。

「さっきの話なんだけど。あの組対の人が気になるってどういう意味?」

「どういう意味? って、そういう意味だよ」

「真面目に答えなさい」

「気になるだろ? あのメモ紙を見た時の彼女の反応を見て」

「あ、なんか食いついたなとは思ったけど」

「彼女はあの会社を捜査しているんじゃないの?」

「え? でも、してないって言っていたじゃん」

「それは、民間人を事件の捜査に加えるのは抵抗があるんだろう」

「抵抗って。いつも、やっているじゃない」

「それは、命捜班の二人にとっては当たり前のことだけどな。知らない第三者からしたら加えている方がおかしな事だと俺は思うけど」

 長四郎は窓から射してくる陽射しを隠すように、サングラスを掛ける。

「そうかぁ~」

「そうかぁ~ って、それが普通の世界なの。ラモちゃんは、金田一症候群が末期の状態となっているな」

「金田一? 何それ」

「ジェネレーションギャップ・・・・・・ まぁ、良いや。それに関わらせたくないもう一つの理由は、ラモちゃんにも分かるでしょ?」

「私にも分かる?」そこから、燐は考え始める。

 そこから、タクシーに静寂の時が流れる。

「お客様。着きました」

 目的地に到着し、運転手が二人にそう告げる。

「支払い宜しく」

 長四郎はそれだけ言って、タクシーを一人先に降りる。

「あ、支払いはカードで」

 燐も長四郎の後をすぐにでも追おうとするのだが、運転手はカード決済に慣れておらず時間がかかってしまう。

 無事に決済を済ませた燐がタクシーを降りた時には、長四郎の姿はなかった。

「クソっ! 逃げられた」

 悔しがる燐が例の会社があるビルに目を向けると、そのビルに入って行く奈緒の姿を見つける。

「あ、あの刑事さんだ」

 燐はすぐに尾行する形でビルに潜入するのだった。

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