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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第弐拾陸話-返金
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返金-4

 間一髪、敵の追跡から逃げ切った長四郎と燐は、事務所へと戻ってきた。

「あ~ 暑かった」

 長四郎はびっしょり濡れたTシャツを脱ぎ捨てた。

「ちょっと!」

 燐は恥ずかしそうにしながら、手で目を覆い隠す。

「何、恥ずかしがってんのよ」

「未成年の前で、服を脱ぐとか有り得ないんですけど!」

「成年の部屋に未成年が居る方が有り得ないんですけど!!」

「なんで、開き直る訳?」

「それが、俺だ」

「意味わかんない」

「分かったら、怖いわ」

「で、さっきの紙のピシャリを追えの意味分かったの?」

「急に本題に入るのな。女子高生」

「当たり前でしょ。話を先に進めないと私が困る」

「あーはいはい」

 長四郎は困った、困ったといった顔をしながら、スマホをズボンのポケットから取り出してKuun hubのアプリを開く。

 検索欄にこう打ち込むピシャリと。

 検索結果にピシャリの動画が表示されたのを確認した長四郎は、テレビの電源を入れて

BlueToothでスマホに映る動画を映す。

「あ、ピシャリだ」

 映し出された動画を見て、燐はポツリと呟いた。

「そう、この紙に書き出されていた名前の人物」

 長四郎は盗んで来た紙をポケットから取り出して、机の上に置いた。

「でも、なんでこいつだと思ったの?」

「いや、こいつはその手の業界出身者で有名だからな」

「その手の業界?」

「その手の業界。ラモちゃんが持ち込んだ事件は何事件?」

「詐欺事件・・・・・・」

「そう詐欺事件。つまりは」

「つまりは、詐欺の業界の出身って事か」

「正確に言えば、その業界では黒に近いグレーな世界の出身」

「ふ~ん」

「出始めた時から、言われてた話だぜ。有名なお話」

「ふ~ん」

「さっきから、ふ~んって。釣れない返事して」

「いや、どうしてそんな話知っているのかなと思って」

「どうしてって。有名な話だから知っているだけ。奴が売れ始めた頃からだから、十年前か」

「結構前だね」

「だから、ラモちゃんが知らないのも当然だな」

 長四郎は腕を組みながら、テレビに映し出されるピシャリの動画に釘付けで見る。

「じゃあ、この人を追えば詐欺グループに行きつくのかな」

「さぁ、どうかな?」長四郎は首を窄めて答える。

「無責任な奴」

「天下無責任時代だからな」

「はぁ?」

「なんでもない」

 自身の発言が滑ったという事を自覚した長四郎は少し黙ることにし、事務所の奥にある自室へと入っていった。

「ったく、勝手な奴なんだから」

 燐はソファーに腰掛け、スマホで“ピシャリ 詐欺師”と検索エンジンにかけた。

 すると、”ピシャリ 情報商材”という検索キーワードが出てきた。

 その検索キーワードをクリックして、検索する。

 一番最初に出てきたのは、“ピシャリは、情報商材を売っていた!!”という十一年前 に立てられたスレッドであった。

「あ、ホントだ」

 燐はそのスレッドを開いて情報収集し始めた。

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