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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第弐拾伍話-対決
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対決-28

 前尾は船を降りて、船の前に停車している車に乗り込む。

「クソっ! 何なんだあいつら」

 もう少し早く長四郎と勇仁を始末しておくべきだったとそう思いながら、アクセルペダルを踏み、車を発進させる。

 すると、目の前から一台のバイクが走ってきた。

「うん?」

 バイクの運転手の格好に違和感を覚える。

 ノーヘルでサングラスを掛けた制服姿の女子高生、羅猛燐であった。

 ダンディな表情をしながら、どんどんと前尾の運転する車に近付いてくる。

 前尾は直感的に敵だと判断し運転席側の窓を開け、銃を向ける。

 燐もまた、バイク横に付けられたガンホルスターからKSGショットガンを取り出し構える。

「死ねぇ!!」

 前尾がトリガーを引く。銃弾が燐の乗るバイクに当たるがバイクは止まることなく直進し続ける。

 燐は銃弾の雨に動じる事なく、ショットガンを撃つ。

 ショットガンから放たれた銃弾は、前尾の運転するフロントに命中するがタイヤには当たらず車もまた直進し続ける。

「ガキがァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」

 前尾は自分の手の中にある銃の弾、全てを燐に向けて放つ。

 一発だけ燐の頬を掠めただけで、それ以外はバイクにも当たらず無駄撃ちになった。

「クソっ!」

 弾切れになった銃を捨て、バイクに車をぶつけて止めをさそうとアクセルを更に踏み込む。

 燐は動じる事なくショットガンをスライドアクションさせ、今度は連続でショットガンを撃ちまくる。

 車のボンネットが吹っ飛び、フロントガラスは割れタイヤはパンクし車はそのまま海に突っ込んで落ちていった。

 燐は水飛沫と共に、ショットガンをスライドアクションさせ空になった薬莢を捨てるのだった。

「遅かったじゃないか。燐」

 船から出てきた勇仁が声を掛けると、燐はバイクを停車させ振り向くように降り勇仁に向けてサムズアップする。

 勇仁は満面の笑みでサムズアップし返す。

「ごめんなさい。でも、間に合ったから良いでしょ」

 燐は勇仁にそう言うと「良いタイミングだった」と嬉しそうに答える。

「助けっ! 助けて!!」

 前尾は溺れそうになりながら必至な顔をして、助けを乞う。

「大丈夫かぁ~ これ、使え~」

 長四郎は船から持ってきた救命用の浮き輪を、前尾に向かって投げる。

 前尾は必死な顔をして、浮き輪に抱きつき安堵した表情を浮かべた。

 それを見届けた長四郎は、燐と勇仁の元へと駆け寄る。

「何、美味しい所持っていくかなぁ~ 君たち家族は」

「美味しい所って言うけど、あんたがだらしないだけでしょ」

「ちょっとは反省してるかと思えば、もうこれだよ。お爺様の教育が悪いからだ」

「ちょっと、長さん。それはないんじゃないの? それを言うなら、俺じゃなくて俺の子供。うん? 子供のまたその子供の教育って事は俺か」

「そう言うことだよ」

「それより、あいつは助けなくて良い訳?」

 燐は海から聞こえる前尾の「早く引き上げて」コールについて尋ねる。

「良いんじゃない。冬じゃないし、猛暑だし」

「それもそうだね。じゃ、俺達も事件を解決したことだし、横浜の中華街へ繰り出しますか!」

 勇仁はパンっと手を叩き、手をすりすりとすり合わせながら一人歩いて行くのだが長四郎と燐は付いて来ない。

「あれ? ご飯行かないの?」

「勇仁。ラモちゃんにはまだやることがある。そうだろ?」

 長四郎がそう言うと燐はコクリと頷いた。

「やる事。ま、そっちは長さん達に任せるわ。じゃ、また後で」

 勇仁は一人でどこかへと行ったのを見送った長四郎と燐。

「で、奴の居場所は見当付いているの?」

「Off Course.(訳:勿論)」と答えた燐はバイクのエンジンをスタートさせる。

「行くよ!」と長四郎に促すと、長四郎はバイクに跨り燐を乗せバイクを燐が言う目的地へ向けて走らせるのだった。

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