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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第弐拾伍話-対決
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対決-20

 前尾が差し向けた殺し屋を刑事三人のおかげで何とか退けた長四郎と勇仁。

 そして、二人は今、事情聴取で神奈川県警本部の取り調べ室に居た。

「先輩。どうして、こういう事態になる前に僕に連絡してこないんですか!」

 守は机をバンっと思い切り叩き、勇仁を問い詰める。

「トロイお前に連絡しても、どうせ上の人間がぁ~ とか言うだろ。だから、俺は連絡しなかったの」

「酷いなぁ~ いつまでも昔の虎田守だと思うなよ」

「悪かった。悪かったよ、守。これからはお前が頼りだ。だからさ、ここから出してくれない?」

「駄目です。ちょっと、おだてられただけで「はい。釈放」ってはいかないんです」

「はぁ~」

 勇仁は諦めたような溜息をつき、椅子の背もたれにもたれかかる。

 一方、長四郎は一川警部と絢巡査長から取り調べを受けていた。

「長さん。今回ばかりはちぃ~とばっかし、大人しくしともらわないといかんばい」

「一川さんらしくない。発言ですね」

「長さん。一川さんの言う通りにしてください」

「絢ちゃんまで、どうしたの?」

「一川さんから説明します?」

「絢ちゃんからで良かよ」

「分かりました。長さん、お耳を拝借」

 長四郎は言われるがまま絢巡査長に耳を差し出す。

 絢巡査長は長四郎に耳打ちし、今、警察内部で起きている事案について教える。

「成程。そう言う事なら、今日は大人しくここにお泊まりするしかないな」

 長四郎は絢巡査長の説得を聞き入れる事にした。

「という事で、俺はここに居る」

 長四郎は留置場で、勇仁にここまでの事情を説明する。

「へぇ~」とだけ答える勇仁。

「へぇ~ だけかよ」

「だって、それしか言えないんだもん」

「だもんっていう年齢じゃないだろ」

「で、これからどうする?」

 そう勇仁に尋ねられた長四郎は、「う~ん」と唸りながら思案する。

 長四郎の中で、今回の事件について整理していた。

 今回の発端は、エグザグラムの日本支部代表だったであろう小岩明人が殺害された事から始まる。

 エグザグラム本部は任務に失敗した事により小岩を殺害したと思っていた。

 しかし、どうもそう言う訳ではない事が何となく分かっていた。

 勿論、確証はない。長四郎はその確証が欲しくて仕方なかった。

 勇仁が持ち込んだ前尾の情報、それを見計らったような襲撃何もかもが出来すぎているずっと、そう感じていた。

 こちらが前尾に喧嘩を吹っ掛けた途端に、殺し屋を向かわせる。

 あまりにも短絡的すぎて、調子が狂う。

 前尾はこの国でどのようなテロを行うのか、見当も付かない状態。

 もっと最悪な事は勇仁と共に、留置場に入れられ身動きが取れないことである。

 これを打開する為の切り札。

 それは、燐にあるのかもしれないとそう考える長四郎は勇仁にこう答えた。

「お孫さん次第じゃない」と。

「どういう意味?」

 その真意を聞いて来る勇仁に長四郎は「どういう意味かな」とはぐらかし寝転がるのだった。

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