表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第弐拾伍話-対決
451/758

対決-18

 長四郎と勇仁の二人は今、インターコンチネンタルホテルのパーティー会場に来ていた。

 サングラスを掛けた男二人が何食わぬ顔で堂々とした様子でパーティー会場に入ろうとするが、当たり前の如く中に入れることもなく入口に居るセキュリティーに止められた。

「お客様。失礼ですが、招待状をお持ちでしょうか?」

「招待状? 長さん、持ってる?」

「招待状なんていらないだろう。主催者の前尾さんにこう伝えてもらえます? 「前尾さんにあんたがもっとも恐れるあぶ探が出向いてやったぞ」って」

 長四郎はサングラスを外してセキュリティーを睨みつける。

 あまりの眼力に凄んだセキュリティーは「わ、分かりました」と言いながら、パーティー会場に入って交渉しに行った。

「あの子、無線マイクつけてたよね?」

 勇仁がそう言うと、「あ、ホントだ」と長四郎は睨みを効かせ過ぎたかなと思うのだった。

 それから五分程して、セキュリティーが戻ってきて二人をパーティー会場に通した。

 今回のパーティーは、金星創業が運営管理する商業施設の建設記念パーティーであった。

「飲み物は如何でしょうか?」

 飲み物の配膳係に尋ねられた長四郎と勇仁は二人揃って「結構」と言って断る。

「長さん。脅して入るのは如何なものなの?」

「別に脅してはいないでしょ。あぶない探偵が来たって伝えてって言っただけじゃない」

「でも、あぶない探偵っていうのは、どうなのよ」

「事実なんだから、しょうがないだろ。特に今回は、あぶない事しているじゃない」

「そんな事はねぇよ」

「あなた達ですか? パーティーに無理矢理押し入ってきたというのは」

 そう声を掛けられた二人が振り向くと、目的の人物、金星創業代表取締役社長の前尾 誠が立っていた。

「ほらぁ~ 長さんが脅したりするから、こういう言われかたするんだよ」

「そぉ?」

「で、どのような用件でしょうか?」

「いや、前にお宅の会社にお話を聞きに行ったんですけどね。海外旅行に行かれていたようだったので」と少し喧嘩口調の長四郎。

「海外出張ですよ。全く、内の社員によく言い聞かせておかないと」

 長四郎の挑発には引っかからないといった様子で、前尾は受け答えする。

「海外出張? テロの打ち合わせじゃなくて?」

 勇仁が別の切り口から吹っ掛けると、あからさまに眉をひそめる。

「テロ? 何で私達が?」

「私達? 何か組織的なものを感じるな」長四郎が嫌味ったらしく言った。

「何ですか? 私を茶化しにいらっしゃったんですか?」

「茶化すなんて、とんでもない。俺らはいつだって、マジですから」

「マジ、ですか・・・・・・」

 何で、セキュリティーはこんな奴らを通したのかと思う前尾は、段々とイラついてきた。

「ま、何でも良いや。取り敢えず、お宅のせいでこっちはとんでもない目に遭ったのでね。今度は容赦しないぞってご挨拶しに来ただけだから」長四郎はしたり顔で前尾を見る。

「それ、脅迫ですよ」と長四郎を思いっきり睨みつける前尾。

「脅迫か・・・・・・ 仕方ない。勇仁、帰ろう」

「なんか、ごめんね。相棒が嫌な思いさせたみたいで」

 勇仁は謝罪しながら、前尾のスーツジャケットの胸ポケットに名刺を入れる。

「じゃ」

 二人は綺麗に踵を返すと、パーティー会場を後にした。

「どうされましたか?」

 すぐに前尾の秘書が飛んできて声を掛ける。

「いや、何でもない。六本木で始末出来なかったみたいだな」

 前尾はそう言って、勇仁に入れられた名刺を取り出すとそれは名刺ではなくメッセージカードだった。

 そこには、次のように書かれていた。

 “売られた喧嘩は買う主義”

 それを見てすぐに前尾はメッセージカードをくしゃくしゃに潰し、秘書に言う。

「ヤンに早くあの二人を消すように伝えておけ」

 前尾の目は怒りに満ち満ちていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ