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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第弐拾伍話-対決
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対決-10

 間一髪、銃弾から免れた長四郎と勇仁はすぐ近くのゴミ収集ボックスに身を隠す。

「危ねっ、危ねっ。死ぬかと思った」

「ホント、ホント。ったく、最近の若い奴は何かっていうとすぐにバァ~ンだもんな」

 勇仁は銃を撃つジェスチャーをしながら、余裕のある態度を見せる。

「若い奴より、お年寄りの方がすぐにバァ~ンだろ?」

「そんな事はないよ。年食ってるより、若い子の方がバァ~ンっと」

 バチィィィィィィン!!!!

 二人の頭すれすれに弾が掠め飛んでいった。

「そろそろ、反撃に出ないとバァ~ンだぜ。勇仁」

「All Right.」

 勇仁はジャケットの内ポケットからダーツの矢を取り出し、長四郎もまたジャケットの内ポケットから折り畳み式のブーメランを出す。

「せぇ~のっ!!」

 二人は声を合わせて物陰から自分の持つ得物を投げようとするが、敵の銃弾の雨が止む事はなく、すぐに元の場所に身を隠す。

「ダメだ。反撃できねぇ」

「撤退だ。撤退」

 撤退といっても、今、この場から離れたらそれこそ蜂の巣となり即、あの世行き状態。

 身動き一つ出来ない男二人は互いを助ける為の最善の策を考えた結果。

「勇仁」

「長さん」

「奇遇だな。多分、勇仁と同じ事を考えていた」

「俺もそう思う」

「じゃ、どうすれば良いか。分かるよな」

「分かる。分かる」

 勇仁がそう返事すると同時に、二人は一斉に飛び出す。

 そして、各々が持つ武器を敵に投げつける。

「ぐあっ!」

「ぎゃっ!!」

 一人、また一人と勇仁の投げつけるダーツの餌食になっていく。

「ゲッ!!!」

「グハッ!!!!」

 長四郎のブーメランを受けた敵が一人、また一人と地面に崩れ落ちる。

 二人が順調に敵を倒していくと、背後から銃声が鳴り長四郎と勇仁は地面に寝転がり死んだふりをする。

「警察よ! 銃を捨てて大人しく投降しなさい!!」

 絢巡査長の声がしたので、男二人「ほっ」と一息吹いて安堵する。

「大丈夫ですか!」

 絢巡査長は真っ先に長四郎と勇仁に駆け寄り安否を確認すると、二人はサムズアップして無事であることを示した。

「良かった。感謝するならお孫さんに」

「燐に?」勇仁はバツが悪そうな顔で起き上がる。

 長四郎と勇仁を襲撃した男達は、絢巡査長が連れて来た応援の警察官達に手錠をかけられる。

「にしても、派手な連中だな」

 長四郎は服を叩きながら、連行される男達を眺める。

「あのお二人さん、今回は大人しくしといた方が良かとではないですか?」

 一川警部が忠告すると長四郎、勇仁は顔を見合わせてニヤッと笑う。

「やだね」

「お断りですね」

「そう言うと思いました」

 絢巡査長は呆れてものも言えないといった顔をするのだった。

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