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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第弐拾伍話-対決
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対決-6

 警視庁では、小上殺害事件の捜査会議が行われていた。 

「FBIの情報によると、エグザグラムは世界規模の組織でその活動目的は多岐に渡る!」

 堂々と発言する刑事部長の話は、勇仁がアメリカから持ち帰ってきた情報そのまま言うだけで命捜班の二人はうんざりしていた。

「逃げ出したいなぁ〜」

「奇遇やね。あたしもそう思っとったところばい」

 その時、一川警部のスマホにメッセージの着信が入る。

「長さんからだ。今、横浜にいるって」

「横浜ですか? 今回の事件現場ですかね」

「多分・・・・・・・」

「私たちも行きますか?」

「そうしようか」

 絢巡査長の提案を受け入れた一川警部はすぐに行動を開始した。

 その頃、長四郎と勇仁は小上が殺害された事件現場に居た。

「夜に来るのとは、大違いだな」

 勇仁はそう言いながら、海を眺める。

「確かにな」

 長四郎はそう答えながら、スマホに入った捜査資料に目を通す。

「小上は、政治犯だったな」勇仁にそう聞かれた長四郎は「ああ。それがどうした?」と答えながら、逆質問をする。

「いや、爆殺されるって事は組織は相当、ご立腹だったのかなぁ〜 と思ってさ」

「確かに穏やかな殺し方じゃないな。まるで、何かのデモンストレーションをしているみたいに」

「この横浜で、ド派手なことでもしようとしているんじゃない?」

「それはあるかもな。勇仁、横浜に情報屋とか居ないの?」

「居ることは居る。だが、役に立つかなぁ〜」

 勇仁は口をへの字に曲げる。

 チーンッ!! とエレベーターが目的の階に到着した音がする。

 エレベーターのドアが開くと、サングラスをかけた長四郎と勇仁がエレベーターから降りるとそのフロアが騒つき始めた。

「お、おい。あれって・・・・・・」

 一人の制服警官が隣にいる同僚に話しかける。

「ああ、噂に聴いていたあの人だ・・・・・・・」と答える。

 勇仁が先陣を切って、フロアを歩いていきフロアの角にある個室の戸を開ける。

「久しぶりだな、(まもる)

 勇仁は部屋に入ると同時に椅子に座るスマートな雰囲気の五十代男性に声をかける。

「帰ってきたんだ。お帰り」

 守は驚いた様子を見せることなく返事をする。

「お帰って・・・・・・つれないじゃないか。十年ぶりの再会なのに」

「で、今日は何しに?」

「何しにって、仕事だよ。仕事」

「仕事」そう返事しながら、不思議そうな顔で横に立つ長四郎を見る。

「おお、紹介し忘れた。長さん、こいつは俺と往年の間柄の刑事、虎田 守(とらだ まもる)。守、こっちの若いフレッシュな男は私立探偵の熱海長四郎。今、俺と一緒に仕事してるの」

「そう。この人といると大変でしょ」

「楽しいですよ。刺激的で」

「刺激的。あの人が居ないだけでも良かった」と言いながら、胸を撫で下ろす守。

 あの人という言葉に少し気になる長四郎だったが、それには突っ込まず二人の会話に耳を傾ける。

「ところで、この前、爆殺された男が居たろ。その男の横浜での行動が知りたいんだが」

「そう簡単に教える訳ないでしょ」

「そうか。教えないか・・・・・・・じゃあ、仕方ないな。お前が昔、やっていた事を壁の向こうに居る皆んなにバラしちゃおうかなぁ〜」

「分かりました、分かりました。資料が用意できたら届けますから、今日はお引き取りを」

「待ってるぜ、守。長さん、行こうか」

「お、おお」

 二人は、神奈川県警本部を後にした。

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