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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第弐拾伍話-対決
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対決-4

 テストを終えた燐は、憂さ晴らしの為に熱海探偵事務所へと向かった。

 入口の前に着くと、事務所のドアに「只今、外出中」という札が貼ってあった。

「ふっ、私に居留守は通用しないのに」

 燐はそう言ってドアノブを回すと、鍵がかかっていた。

「ほぉ~ 私にはとっておきの兵器があるのにな。アホな奴め」

 カバンの中からキーケースを取り出し、事務所の鍵をドアノブに差し込み鍵を開ける。

「フフッフフフ」

 ゆっくりとドアを開けて、事務所の中に入るとシーンっと静けさがあり長四郎はこの場に居ない事はすぐに分かった。

 事務所のソファーに腰を下ろした燐は、スマホを手に取ると長四郎に電話を掛ける。

 しかし、電話に出ない長四郎。

「助手を放置して、どこで遊んでるのかなぁ~」

 燐はGPSアプリを起動した。

 そこには長四郎の位置情報が表示されていた。

「横浜ぁ~ 浮気調査かな?」

 燐はすぐさま、長四郎にメッセージを送る。

 だが、返信は返ってこず、二時間が経過しようとしていた。

 二時間、事務所のテレビを垂れ流しながらスマホゲームをしていたが飽きたので燐は行動を起こす事にした。

「お~」長四郎は身震いする。

「長さん、どうしたの? 海風にやられたか?」

 長四郎と勇仁は、山下ふ頭に来ていた。

「いや、違うと思う。多分、お孫さんが動き出したかも」

「燐が? でも、有り得そうな話だな。ここに居ちゃマズイかもな」

「ああ、そうだな。中華街にでも逃げよう」

「そうしよう」

 男二人の意見は一致し、中華街に移動した。

 そして、二人は中華街の適当な店に入り食事をする事にした。

 料理が来るまで、事件についての話をする長四郎と勇仁。

「で、長さんの見立ては?」

「トカゲのしっぽ切りだな」

「だろうなぁ~ 塚川って野郎は逮捕されてラッキーだったな」

「言えてる」

「それで、奴らの言い分は何だった訳?」

「腐った政治を正す為にうんたらかんたら言ってたな。確か」

「政治」

「アメリカでは違うのか?」

「全然、違う。向こうは環境保護だ」

「環境保護?」

「そう、環境保護。FBIの調べだと活動内容は各国任せらしい」

「じゃあ、日本でも頭がすげ変われば、活動内容が変わるのか」

「FBIの言う通りだとな」

「はい、生ビールでぇ~す」

 片言の日本語を話す中国人店員が机の上に生ビールを置いて厨房に戻っていく。

「よしっ、乾杯!」

 二人がジョッキを酌み交わすと、「うっ、ううん」という咳払いが聞こえたので、長四郎と勇仁は恐る恐る声の方を向くと燐が立っていた。

「ハっ、ハァ~イ」

 声を揃えて挨拶する二人に「ハァ~イ」と答える燐はニコニコ笑顔で制裁を加え、店内に男二人の絶叫が木霊するのだった。

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