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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第弐拾伍話-対決
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対決-2

 間一髪で弾を避けた勇仁は素早く走りながら、車の盾にして身を隠す。

「とんでもない出迎えだな」

「余裕あり過ぎだろ」

 長四郎は落ち着きある勇仁を見て感心するも、銃弾の雨は止まない。

「おい、例のアレ。持って来たか?」勇仁にそう尋ねられた長四郎は「これだろ?」と言いながらジャケットの内ポケットから箱を取り出して勇仁に渡した。

 勇仁は受け取った箱を開けると、中にはダーツの矢が入っていた。

「上出来。上出来」

「そりゃ、どうも」

 長四郎は自分が着ていたジャケットを脱いで、男達の方に向けて投げるとジャケットに無数の風穴が開いた。

 男達がジャケットに気を取られた隙に勇仁が男達の手元に向けて、ダーツの矢を投げつける。

 ダーツの矢は綺麗に男達の手元に刺さり、銃は男達の手からこぼれ落ちる。

「おい! そこで何をやっている!!」

 銃声を聞きつけ駆け付けた警備員に声を掛けられた男達は足早に逃げていった。

「とんでもない奴らだな」

 勇仁はそう言いながら、服をパンパンっと払い汚れを落とそうとする。

「いや、とんでもないのは勇仁の方だろ。こうなる事見越して、ダーツの矢を用意させたんだろ?」

「おっ、もう名探偵の片鱗が見えてきたな」

「茶化すなよ。話してもらおうか。何しに帰国してきたのかを」

「OK」

長四郎が持って来た車は滅茶苦茶になったので、事情聴取を兼ねての覆面パトカーでの移動となった。

 事情聴取するのは勿論、一川警部と絢巡査長の警視庁捜査一課命捜班の二人だ。

「ラモちゃんが聞いたら、ビックリするやろうね」

 一川警部が最初に話し始めた。

「ああ、刑事さん。燐にはこのことは内緒にしてね」

「はぁ、分かりました」と素直に応じる一川警部。

「って事は、今回の事件は相当厄介な物なんだろうな」

「ご明察。ちょっと、これを見て欲しいんだけど」

 勇仁はそう言いながら、スマホの写真アプリを起動させ一枚の写真を長四郎と一川警部に見せる。

 そこに映っていたのは、六芒星のマークであった。

「六芒星? うん?」

 一川警部もこれを見てすぐに気づいたらしく、長四郎もまたしかめっ面な顔をする。

「小岩の事件に繋がっているって事なのか?」

「そう。燐から六芒星に絡んだ事件を追っているって話を聞いたから、帰ってきたの」

「向こうで、この六芒星に絡んだ事件についての依頼を受けたっていう訳か?」

 長四郎がそう質問すると「正確には、六芒星をシンボルマークとした組織の調査を依頼された」と勇仁は答えた。

「長さん。ラモちゃんのお爺さんは何者なの?」

「ああ、一川さん達は知らなかったですよね。勇仁はぺリゴ株式会社という大手の探偵事務所の会長なの」

「そう言う事。って、あの世界進出しているぺリゴの会長さんとですか!!」

 驚いて見せる一川警部に頷いて答える勇仁。

「あの、発言しても」車を運転していた絢巡査長が発言を求める。

「どうぞ」と長四郎が手を差し出しながら、許可する。

「実は、小岩明人は殺害されました」

「殺害されたぁ~」長四郎は身を乗り出して、詳しく話せみたいな顔をする。

「はい。横浜で。しかも、爆死です」

「これまた、ド派手な犯人な事」

 勇仁はそう言いながら、サングラスを掛け窓の向こうに目を向けるのだった。

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