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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第弐拾伍話-対決
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対決-1

 パトカーの赤色灯で山下ふ頭は真っ赤に染まり、そこから見える横浜の綺麗な夜景が台無しになっていた。

「綺麗な夜景が台無しばい」

 一川(ひとつかわ)警部は赤色灯が反射する綺麗な頭をペチペチと叩く。

「一川さん。被害者は小岩 明人(こいわ あきと)のようです。免許証から割れました」

 そう報告したのは、一川警部の部下の(あや)巡査長だ。

 小岩明人とは、政治家秘書を襲撃していた政治犯である。共犯の塚川を身代わりとして逃亡を図り行方知れずのままであった。

 詳しく知りたい方は第弐拾肆話を読んで見ればぁ~

 では、お話に戻ろう。

「免許証。身代わりやないと?」

「それはこれから、検視して調べるそうです。何せ、爆死ですからね。身代わりを立てていても不思議はないと思いますが・・・・・・」

 絢巡査長はそう言いながら、事件現場に目を向ける。

 目の前には、黒焦げの車に群がって自分たちの仕事をする警察官達の姿があった。

「ま、ここは神奈川県警の管轄やけん。検視結果を待ってから動こうか」

「はい。分かりました」

 二人は、自分達が乗ってきた覆面パトカーに乗り込み事件現場を後にした。


 七月に入って暑さ本番となり、空港の空調は冷房全開で動いている中、汗を拭う男が一人居た。

 その男とは、私立探偵の熱海 長四郎(あたみ ちょうしろう)である。

 三日前、長四郎が経営する熱海探偵事務所のホームページに依頼が入った。

 その依頼とは、羽田空港に車を届けるといった内容のものであった。

 普段であれば、こんな依頼は受けないが依頼主の名前はY.Oとだけ書かれていたのにピンっと来て指定された場所に車を取りに行き、今に至るのだ。

「来ねぇなぁ~」

 到着ロビーから次々と人が出てくる中に、一人、華麗なステップを踏みながら出て来る男が居た。

 長四郎はステップを踏む男に近づき、声を掛ける。

「久しぶり。勇仁」

「おっ! 久しぶりっ! 長さん」

 華麗なターンを決めながら、返答する小上 勇仁(おのうえ ゆうじん)

 小上勇仁とは、長四郎の助手を務める女子高生・羅猛 燐(らもう りん)の母方の祖父である。

 この爺さんがいつ登場したのかを知りたい方は、第捌話-帰国を読んで見てね。

「で、俺に何の用なの?」長四郎は自分が呼び出された理由を真っ先に聞く。

「それについては、車の中で話そう。車、持って来た?」

「Off Course. (勿論)」

 そのまま、駐車場に移動した二人。

 長四郎が車のキーのボタンを押しドアロックを解除させ車に乗り込もうとした時、「小上勇仁だな」と背後から声を掛けられた。

 二人が振り向くと、若い男が三人立っていた。

「この人達、長さんの知り合い?」勇仁が聞くと「いやいや、勇仁の方でしょ。この感じで言えば」と答える。

「悪いな。女の知り合いは多いんだけど。君たち、誰?」

 勇仁がそう言った瞬間、真ん中に立っていた男が勇仁に銃を向け発砲した。

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