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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第弐拾肆話-議員
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議員-22

「私が狙われる? そんな馬鹿な話があるか! 世間でどう言われていようと、私は潔白な政治家だ」

 身辺警護に駆け付けた長四郎達四人を追い払おうとする前田議員。

「あんたさ、自分の命を助けに来た人間に対する態度!?」

 燐は睨みつけながら、前田に詰め寄る。

「ラモちゃん。落ち着け。落ち着け」

「躾がなってないな」

「んだとぉ~」

 前田の余計な一言に燐は殴りかかろうとするのを必死に止める長四郎。

「前田さん。我々、警視庁としてもこれ以上の被害者を出すわけにはいかんとですよ。それとも、我々が警護についていたらまずい事でもあるとですか?」

「そ、そんな事は・・・・・・」

 一川警部の問いかけに前田は口ごもる。

「じゃ、警護にあたるという事で宜しいですね」絢巡査長がそう言うと前田は嫌そうな顔をしながら頷いて了承するのだった。

 そんな前田を塚川は冷たい目線で見るのだった。

「前田の今日のスケジュールです」

 塚川は四人にスケジュール表を渡す。

「ありがとうございます」スケジュール表を受け取った長四郎は礼を言い「塚川さん。お話を聞きたいんですが」と質問した。

「私にですか?」

「はい」

「どのような件で」

「それは、お話してからのお楽しみという事で。では、国会へと参りましょうか」

 こうして、国会へと移動した六人。

 前田は予算委員会へと向かい、手隙になった塚川を国会議事堂内にある食堂で事情聴取する事になった。

「私に聞きたい事って、議員秘書襲撃事件についてでしょうか? その件ならこの前、こちらの刑事さん二人から質問されましたよ」

「そうでしたか」と答える長四郎はだから何のそのといった感じで話を進める。

「今回は別の切り口での質問になると思うので退屈しないと思いますよ」

「はぁ」

「担当直入に言いますね。西天光さんを殺害したのは貴方ですよね?」

 長四郎の台詞をブン取った燐がドヤ顔で塚川に質問した。

「私が? 証拠はあるんですか?」

「証拠ならあります」

 長四郎が言う前に燐が先に言うので、長四郎はやれやれといった感じで椅子の背もたれに体を預け燐に任せる事にした。

「絢さん。例の物を」

「はい」

 絢巡査長は、燐に防犯カメラの映像の写真を渡す。

「この写真は、西さんが殺害された日の映像の写真なんですけどね。ここに写っているのは塚川さんですよね。しかも、もう一枚の方の写真は服装が違う。不思議ですね」

「不思議。僕は、ここのコンビニで珈琲を購入して珈琲をこぼしてしまって、着替えたんですよ」

 燐はその答えにフッと鼻で笑うと「それ、無理があるんじゃありません?」と言った。

「そんな事は・・・・・・」と答える塚川の額から脂汗が零れ落ちる。

「だって、事件現場近くに紳士服店はありませんよね?」

 絢巡査長に意見を求めると「無いよ」と答える。

「ま、詳しい話は警視庁で聞きますから行きましょうか?」

「良いでしょう」

 すんなりと応じる塚川に違和感を覚えた長四郎は、「俺、もう少しここに居ます。先に戻っていてください」と一川警部に告げる。

「じゃあ、私も残る」

「ラモちゃんは帰りなさいよ」

「嫌だ」の一言で済ます燐は長四郎の隣に再び腰掛ける。

「じゃ、二人仲良くやってね」

 一川警部にそう言われた二人は同時に、一礼し警視庁へ連行される塚川を見送るのだった。

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