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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第弐拾肆話-議員
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議員-19

 一川警部と絢巡査長は、長四郎に依頼された件で議員会館へと来ていた。

「一川さん、警視庁のデータベースで照会しないんですか?」

 警視庁の前科者データベースから男の身元を探ろうと考えていた。

 しかし、一川警部は長四郎から依頼を受けてすぐに向かったのが議員会館であった。

「あれじゃ、見つけらんばい」

「どういう事ですか?」

「絢ちゃん。長さんが送ってきた写真見た? あれは、議員秘書ばい」

「その根拠は?」

「勘!!」と胸を張って堂々と答える一川警部を見て一抹の不安を覚える。

「勘ですか?」

「そう、勘。あたしの経験から言わせてもらうと、この男は反社会勢力の匂いはせんけん」

「はぁ」

「同業もしくは後援会の人間のどっちかと思うとやったんやけど、西さんが殺された現場には居らんかったけん。多分、同業者と見込んでここに来たと」

「なんか、今日の一川さん。めっちゃカッコいいですね」

「そげんこつ言わんといて。普段がカッコ悪いみたいやん」

 しょげた顔をしながら、一川警部はペチペチと頭を叩く。

 二人が議員会館のロビーの椅子に腰をかけながら、例の男の登場を待っていると小岩が一人戻ってきた。

 外に尾行していた長四郎と燐の姿が見えたので一川警部が手を挙げると、それに気づいた長四郎が会釈をして燐と共に議員会館の前から足早に去っていた。

「長さん達と合流しますか?」

「そん必要はなかろうもん。あたしらも暇やし、小岩さんを突いてみる?」

「暇ですし、そうしますか」

「行こ」

 早速、小岩が居るであろう西議員の議員室へと向かう二人の刑事。

 だが、部屋に明かりはついておらず、小岩の姿はなかった。

「あれ、誰も居ないですね」

 部屋の前のガラスから中の様子を伺う絢巡査長がそう言った。

 一川警部は絢巡査長の報告に答える事なく、「う〜ん」としかめっ面な顔をしながらスマホを見ている。

「一川さん。私の話、聞いてます?」

「聞いとうけど。いや、今ね。長さんからメッセージが来て」

「長さんから」そう言いながら、一川警部のスマホに目を落とす絢巡査長。

 長四郎から届いたメッセージは次のような内容だった。

 “尾行対象は、休憩所に居る可能性高し”

「行きます?」絢巡査長が尋ねると「行くことは行くけど、あたしら、GPSでも付けられとうとかね? タイミングばっちりにこんメッセージが届いとうけん」と答える一川警部。

「言われたら、怖いですね」

「でしょ? 取り敢えず、休憩所に行こう」

「はい」

 こうして、休憩所に移動した二人。

 長四郎のメッセージ通り、小岩は休憩所に居た。

 しかも、長四郎から依頼された男と共に楽しそうに談笑していた。

 絢巡査長はすぐさま、スマホに男の写真を撮り「こんにちは〜」と言いながら話しかける。

「あ、こんにちは」

「すいません。お話中のところ」

「いえ、大丈夫です」

 小岩はそう答えながら、目配せで話していた男に合図を送ると男はそそくさとその場から離れようとすると一川警部が男の前に立ち塞がり「少しお話、聞かせてもらっても良かとですか?」と質問した。

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