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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第弐拾肆話-議員
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議員-17

 翌日、長四郎に指定された時間に事務所を訪れた燐。

 長四郎に内緒に作っておいた合鍵を使い中に入ると、事務所には長四郎の姿はなかった。

「あいつぅ〜」

 燐は長四郎の自室へと続く部屋の戸を開け寝室へ向かうと、案の定、長四郎はベッドの上でスヤスヤと眠っていた。

「起きろ!!!」

燐は長四郎が被っている毛布を引っぺがす。

「いや〜ん。もう少し寝かしてよ」

「ダメ。あんたが九時に来いって言うから来たのに」

「ああ、そうか。そう言っていたな」

「何と無責任な」

「それが取り柄でありますからな」

「碌でもない取り柄だな」

 燐は呆れ返った感じで、長四郎の身支度が終わるのを待つのだった。

「行こうぜ」

 着替えた長四郎は燐にそう言いながら、サングラスをかける。

「なんか、やる気満々な感じだね」

「まぁな。小岩さんの所へ行くぞ」

「分かった」

 こうして、長四郎と燐は行動を開始した。

 小岩の自宅に向かうと、小岩がマンションから出てきたところであった。

 二人は小岩に見つからないように近くの電柱に身を隠して、小岩が歩き出したタイミングで尾行を開始した。

 小岩は最寄り駅の茗荷谷駅から国会議事堂前まで地下鉄で移動した。

 ここまで、怪しい動きを見せない小岩。

 燐は何のために尾行しているのか分からないまま、長四郎と共に尾行を続ける。

 長四郎は退屈しないように、時々ステップを踏んだりして気を紛らしていた。

「ラモちゃん、怖い顔しないでさ。気楽にやりなよ」

「ねぇ、こんな事して意味あるの?」

「分からない。が、あると期待して動く」

「期待か・・・・・・」

 燐は渋々ながら、ここを耐え抜ければ事件解決に繋がると信じこの状況を受け入れることにした。

 小岩は西の後援会に顔を出して、今後の打ち合わせを行なっていた。

 その間、暇な長四郎と燐は各々、スマホを操作して待機していた

「退屈だね」

「それが探偵家業だ。浮気調査なんてこんなもんじゃないぞ」

「そうなの?」

「そうだよ。六時間以上待機なんてザラだから」

「ふ〜ん」

 燐は気のない返事をして、再びスマホに目を落とす。

「うん?」

 長四郎は後援会事務所に入っていく見慣れないスーツの男を見つけスマホカメラモードにして、写真に収めた。

 すぐさま、その写真を一川警部と絢巡査長に送信して身元の照会を依頼した。

 それから三十分後、例の男と一緒に小岩が後援会事務所から姿を現した。

「あの人、どこかで見たことがあるかも」

 燐はスーツの男を見てそう言った。

「どこで?」

「まだ、思い出せない」

「なるべく早く、思い出してくれよな。じゃ、尾行再開だ」

 長四郎と燐は、楽しく談笑する小岩の後を追うのだった。

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