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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第弐拾肆話-議員
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議員-14

 西天光の事件は、世間を大きく賑やせた。

 マスコミは一気に議員秘書連続襲撃事件から、西天光殺害事件へと報道内容を切り替え特集を組んで議員秘書連続襲撃事件を風化させる勢いであった。

 そんなテレビ番組を見ながら苦々しい顔をする男が一人、熱海長四郎であった。

「ねぇ、犯人を見つけないの?」

 西が殺されてから、事務所に篭りっきりだという長四郎の身を案じた燐が訪ねてきての第一声はそれであった。

「犯人?」長四郎は「何、それ?」といった感じの反応を示す。

「西先生の仇を打たないと?」

「なんで?」

「なんでって、あんた悔しくないの? 依頼人が殺されたんだよ?」

「依頼人って・・・・・・ ラモちゃん、俺の依頼人は小岩さんだよ。ただ、警護対象が殺されただけの事」

「だったら、尚更じゃない」

「何? 俺の事、励ましに来たの?」

「う、うん。まぁ」

 燐は照れ隠しするかのように返事をする。

「ラモちゃんも暇だねぇ〜」

 長四郎が言うや否や燐からヘッドロックを決められる。

「く、苦しいぃ〜」

「そんな事、私が知るか!!」と一蹴され、絞め落とされる長四郎であった。

 長四郎と燐が戯れている頃、一川警部と絢巡査長は警視庁の大会議室で西天光殺害事件の捜査会議に参加していた。

「西議員は、世間の注目を浴びるお方だった。敵は政界に限らず多く居る事だろう。よって、これをしら身潰しに捜査していく!! 良いな!!!」

 刑事部長が号令をかけると、会議に参加している捜査員全員が「はい!!!!」と声を揃えて返事をした。

「と返事をしたものの、こんな事しても埒があかんばい」

 一川警部は隣に座り、捜査資料に目を通す絢巡査長に話しかける。

「一川さん、会議中ですよ。私語厳禁です」

「すいましぇ〜ん」と謝る一川警部だが、ここで私語を辞めないのが一川警部という人物である。

「実はさ、長さんが言うにはこれも議員秘書襲撃事件と関連があるんじゃないかって言っとうとよ」

「長さんが? あれ以降、塞ぎ込んで事務所に篭っているんじゃないんですか?」

「そういう筋書きになっとうとよ」

「どういう筋書きなんですか?」

「知りたい?」

「勿体ぶらずに教えてくださいよ」

「ラモちゃんには内緒ばい。良か?」と尋ねると、「分かりました」と絢巡査が答える。

「長さん曰く、犯人の目星はついとうらしい。それで、犯人にこちらの動きが読めないようにする為に引き篭もっとるふりをして一人、捜査しとったらしい」

「へぇ〜 あ、ラモちゃんに長さんの様子を見に行くように頼んじゃいました」

 気まずそうな顔をする絢巡査長。

「おい! そこ!! 何を無駄口を叩いとる!!! お前たちも捜査に行かんか!!!!」

 刑事部長にお叱りを受けた二人が周囲を見渡すと、自分達以外の捜査員は出払っていた。

「今すぐ、出動します!!!」

 一川警部は刑事部長に敬礼し、絢巡査長と共に会議室を出て行き捜査に向かうのだった。

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