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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第弐拾参話-会長
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会長-22

「え? どういう事?」戸惑う美麻。

「付都先生。本当何ですか?」水野がそう問うと、「ええ、そうよ。私が野古君を殺した」とあっさり自供した。

「まぁ、それは置いといて。話を戻しましょう。第一発見者の証言の信憑性がなぜ高いのか。それもお教えしましょう。絢ちゃん」

「はい」

 絢巡査長はタブレットを操作して、鑑識が撮影した写真を見せる。

「これ、栗手のお兄さんが身につけていた服の写真なんですけど、よ~く見てください。腹部辺りの所は激しめに濡れているのに、肩辺りは、少ししか濡れていない。違和感でしかない」

「それって、あなたの感想ですよね?」蔵寺が言った。

「感想。でも、ここに写っているのは事実ですから、それに面白いものも発見しまして」

「次は、これを見てください」

 絢巡査長が次に見せたのは、事件当時にインスタに投稿された写真だった。

「これは、佐久利さんのアカウントです。投稿されたのは、栗手君のお兄さんの死体が発見された当日。お友達が死んだのに楽しく撮影されてますねぇ~ これは、僕の感想ですけど」そう前置き話を続ける。

「野古君の手、よく見て。これ、怪我してますね。痛そうだ」

 野古の手というより、拳が包帯グルグル巻きの状態であった。まるで、誰かを殴って怪我をさせたような。

「それで、この調書には野古君のケガは、キャンプファイヤー用の薪を探している途中に怪我をしたと調書には記載されています。それも、手の骨を骨折と」

 絢巡査長がそう言うと、「それが栗手君の事件と何か関係があるんですか?」水野が質問した。

「ええ、彼の死因は川に落ちた事によると溺死ではありません。溺死に見せかけた殺人とでしょう。その復讐を果たそうとしていたのが、付都先生と栗手君の二人だ。恐らく死因は、殴られた事によるショック死か何かでしょう。もう死体が無いので、何とも言えませんが」

「探偵さんは、どうしても僕たちを犯人させたいんですか? 未来ある若者に」と嫌味を言う蔵寺。

「未来ある若者を奪ったのは、あなた達でしょ!!!」

 突然、付都が怒鳴り声を出して周囲を萎縮させる。

「どうしたんですか? 付都先生。いつもらしくない生徒を守ってやるのが、我々でしょう。変な探偵の言う事を真に受けるんですか?」

 水野は宥めながら、自分達の方に味方につけようとする。

「ええ、真に受けますよ。あんなに楽しそうに話をしているのを聞いてしまったから」

 栗手の葬儀を終えてすぐの事だった。

 偶々、生徒会室を横切ろうとしていた付都は思わぬ言葉が生徒会室から聞こえてきたので聞き入ってしまった。

「いやぁ~ 俺のカウンターパンチで死ぬなんてやわな奴だったよな」そう言っているのは野古である事はすぐに分かった。

 気づかれないように、ドアに耳を当て生徒会室の部屋の中の会話に耳を傾ける。

「でも、人って簡単に死ぬんだね。先生」

「ああ、俺もビックリした。でも、警察もバカだよな。あっさりと事故死と判断してくれたおかげでお前たちはここに居られるんだぞ。分かっているのか、佐久利」

「はぁ~い。分かってまぁ~す」

「でも、先生。蔵寺が偽装工作を指示なきゃ、先生も捕まってたでしょ。アレを言い出したのは先生なんだし」

「蔵寺には感謝してるよ」

「いえ、俺は特に何も」

「ま、今度はあんな事にならないように注意しなきゃな。ズォーダーごっこは」

 水野が部屋から出てきそうだったので、付都はすぐに部屋から離れた。

 そこから付都は、少しずつ探りを入れるのだが、中々、殻を破れずにいた。

 そんな折、四月に栗手の弟が入学し、入学式のその日に栗手弟が接触してきたのだ。

「先生。兄の復讐を手伝って頂けませんか?」と。

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