表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/758

話合-8

 翌朝、浅草署に建てられた捜査本部に訪れた長四郎。

「おはようございまぁ~すって、何でラモちゃんがいるんだよ!!」

 何食わぬ顔で捜査本部に居座る燐を見て、腰を抜かす。

「何、驚いているのよ。私がここに居たら不満かしら?」

 指をぽきぽきと鳴らしながら長四郎に一歩、一歩、処刑人の如く近づいて来る。

「いえ、そういう事はございませんが、学校は?」

「分ってないわね。私くらいのレベルになると、学校公認でサボれるのよ」

「さようでございますか」

 ドヤ顔を決める燐を見て、「また退学になるぞ」と口に出しそうになるのを長四郎はグッとこらえる。

「にしても人いませんね」

 捜査本部を見回し、長四郎は素直な感想を述べる。

「今は聞き込みで、出払ってますから」

 絢巡査長が現状説明をする。

 長四郎は「ふ~ん」と相槌を打ちながら、適当に開いている席に座る。

「それで、今日はどうするの?」

 早速、燐が今日のスケジュールを長四郎に確認するのだが、「一川さんは?」と燐の問いを無視し、この場に居ない一川警部の所在を訪ねる長四郎。

「ああ、まだ出勤して来てませんね」

 絢巡査長はいつもの事だと言わんばかりの表情で伝え、長四郎もまた「いつものね」といった感じで納得する。

「それで、今日は?」

 絢巡査長が長四郎の訪問理由を尋ねる。

「いや、昨日さ一川さんからこれに目を通すようにと言われてたから、感想を伝えに来たんだけど」

「ちょっと、待っててください」

 絢巡査長はすぐ様ノートPCを用意し、Wordを起動させる。

「お願いします」

「読んだ結果・・・・・・・・さっぱり、分からなかった」

 絢巡査長、燐はガクッと肩を落とす。

「あんた、真面目にやりなさいよ!」長四郎をしかる燐。

「そんな事言われてもなぁ。何にしても、情報量が少ないんだよ」

「絢さんが悪いって言うの?」

「そんなこと言ってねぇよ!!」

 面血を切りあう長四郎と燐。

「あのどのような情報が欲しいんでしょうか?」

 絢巡査長が具体的な指示を求める。

「え?」

 まさか、そんな質問が来るとは思っておらず長四郎は戸惑う。

「え? じゃないでしょう。早く答えなさいよ」燐が煽ってくる。

 長四郎は心の中で、自分がフリーザだったらデスビームでこの小娘を瞬〇してやるのにと思う。

「被害者の事件発生前の詳細な行動を知りたいというのがまず一つ。

次に、被害者の学校での評判が知りたいです。生徒、先生両方の評判。三つ目は、学校でこの被害者が所属していた部活動、委員会の情報が欲しいです」

「あのこの事件は内部犯の犯行と考えているんですか?」

「無差別だったら、この事件以外にも他の人間を殺しているでしょう。

仮にこれが一回目だとしたら、学校という場所は選ばない。

犯人が学校関係者でない限り。わざわざ部外者が学校に侵入して、被害者が死んだことを確認しには来ないでしょ。

それにこの事件と今回の事件しか、同じ毒物を使用された痕跡がないという事は。」

「つまりは、学校関係者ってこと!!」

 燐が意気揚々と犯人像を言い当てる。

「さっきからそう言ってるじゃん。アホか、お前」

 長四郎が言うと同時に燐は、卍固めを決める。

「では、関係者への聞き込み行ってきます」

 聞き込みに行こうとする絢巡査長を、卍固めを決められている長四郎が呼び止める。

「いや、絢ちゃんには別に頼みたい事が!」と。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ