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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第弐拾参話-会長
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会長-4

 燐に連れられた長四郎は、空き教室へと連れ込まれ、燐が調べてきた情報をお説教交じりに聞かされていた。

「私は、あんたが女子高生を口説いている間に、色々と情報を仕入れてきたんだけど」

「別に口説いてねぇし。俺はね、18歳以下はお断りなの。ただ、粗暴な女子高生とは違う可愛い女子高生とお話をしていただけ」

「それで、可愛い女子高生から何、聞き出したの?」

「え~っと、殺された野古君には彼女は居るのかぁ~ 居ないのかぁ~ よく分からないまま。そんでもって、お友達が蔵寺君って子らしい」

「はっ!」鼻で笑う燐は「あんたと違って、私は有益な情報を手に入れたっていうのに・・・・・・」とあきれ返る。

「生徒会長やってりゃあ、恨まれる事もあるでしょうよ」

「でも、動機としては一番しっくりこない?」

「ラモちゃんにその事、教えたの誰だっけ?」

「生徒会で書記をしている栗手君」

「生徒会ねぇ~」

 長四郎は頭を掻きながら、少し考えこむ。

「ま、今回はラモちゃんに乗っかてみますか」

「よしっ!!」燐はガッツポーズを取る。

「この事、絢ちゃんは知っているの?」

「うん」

「じゃあ、生徒会の子達から話を聞きに行こうか」

「了解!!」

 燐は満面の笑みで、敬礼する。

 二人は早速、生徒会室へと移動した。

 長四郎がドアをノックすると、部屋の中から「はい」と女子の返事が返ってきたので「失礼します」と言いながらドアを開けて生徒会室へと入る長四郎と燐。

「何か御用でしょうか?」

 すぐ様、質問したのは現生徒会長の亜尾 健太(あび けんた)であった。

「事件について、ちょっと聞きたい事があってね」

 長四郎が用件を伝えると、その場に居た全員が怪訝そうな顔をした。燐に野古について教えた栗手も同様の反応を示す。

「事件についてですか? あの失礼ですが貴方、刑事さんですか?」

 亜尾にそう質問された長四郎はその意図がすぐに理解できた。何故なら、変蛇内高校の制服を着た燐が何君で横に立っているからだ。

「そうよな。制服着た女子高生連れた刑事なんて居ないもんな。俺は、私立探偵の熱海長四郎っていう者でさ。訳あって事件解決に協力しているのよ」

 そう答えながら、俺はお前のせいで迷惑しているんだぞ。と言わんばかりの顔で横に立つ燐を見る。

「探偵でも女子高生は連れないでしょ」とツッコミを入れたのは、部活会計を担当している佐久利 美麻(さくり みま)であった。

「君の言う事もごもっとも。それでさ、殺された野古君はこの学校の生徒会長だったって聞いたんだけど」

「だったら、何だって言うんですか?」今度は、本部会計を担当する取琉碁 勝(とるご まさる)が長四郎の質問に食いついてきた。

「大したことじゃないの。生徒会長だからさ、妬み嫉みで殺された可能性もあるのかなって考えてさ」

「面白い推理ですね」興味深そうな反応をする亜尾。

「そうでしょう。そうでしょう。で、心当たりはある?」

「ないですよ」取琉碁が即答する。

「先生達からの評判も良いみたいだしね。それはないか。ありがとう」

 長四郎は礼を告げて、生徒会室を出ていく。燐も慌ててそれについて行く。

 生徒会室を出て、少し離れた所で燐が話し始めた。

「もっと、聞くことあったでしょ?」

「あれ以上、探っても何も出てこないよ。だって、煙たがられてたじゃん俺達。それにさ、あんな事件が起きて生徒会室で雁首揃えて会議しているって事は何かあるんだろうな」

「ほら、葬儀の対応とかの打ち合わせとか考えられないの?」

「ラモちゃんが生徒会が疑わしいって言っておいて、今度は庇うんかい」

「庇ってないし。てか、これから、どうするの?」

「うん。全くもって考えていないわ」

 長四郎のその発言にガクッと肩を落とす燐。

「あのねぇ~」

「取り敢えず、一川さんと絢ちゃんに会いに行こう」

 長四郎は命捜班の二人の元へと向かった。

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