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探偵は女子高生と共にやって来る。(感謝150,000PV達成)  作者: 飛鳥 進
第弐拾参話-会長
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会長-1

「はぁ~い。どいて。どいてぇ~」

 校内の道路に群雄割拠する高校生達の間を私立探偵・熱海 長四郎(あたみ ちょうしろう)を乗せたバイクGTS150が、クラクションをならしながら駆け抜けていく。

 教員用の駐車場に駐車させた長四郎は、制服警官に声を掛けられた。

「君、外部の人だよね。帰ってもらえるかな?」

「来たばかりで、帰ってはないでしょ」

「今ね、この学校で事件が起きたんだよ。それでさ、部外者を入れるわけ行かないんだよ。というより、お兄さん、学校関係者?」

「いいや、違いますけど」

「じゃあ、報道の人?」

「違います」

「誰?」

「聞かれて名乗るのもおこがましいが、答えてしんぜよう。ドゥルルルル・ダンッ!」

 身体を一回転させて、制服警官にこう告げた。

「キューティー・アタミ!!」長四郎がポーズを決めそう告げた瞬間、「不審者発見。応援求む」と制服警官は応援を要請する。

「何、馬鹿やってんのよ」

 いきなり、背後から頭を叩かれる長四郎。

「痛ぇ~な。人の事呼んどいて、この扱いはないでしょ。ラモちゃん」

 長四郎は自分の頭を叩いた相手・羅猛 燐(らもう りん)に向かって、文句を言う。

「何が、キューティー・アタミよ。ダサっ」

「確かに、ダサい」と燐の言葉に賛同する制服警官。

「それより、俺がどうしてここに来たのかをこのお巡りさんに教えてあげて」

 長四郎は辛辣な言葉にめげず、燐に事情を説明するように促す。

「そう言うだろうと思って」燐が振り向くと警視庁捜査一課命捜班の(あや)巡査長が長四郎に笑顔で手を振っている。

 絢巡査長に長四郎が来た目的を告げ不審者ではないと言うことが証明され、事件現場の体育館へと移動する。

「にしても、ここの体育館広いなぁ~ 普通の体育館の倍近いんじゃない?」

 体育館に入った長四郎の感想はまずそれだった。

 体育館の中には円卓のテーブルが並べられ、その上にオードブル料理と2ℓのペットボトル飲料が置かれていた。

「何、パーティーしてたの?」

「そう。系列高校との親睦会パーティーしてたの」

 燐は長四郎の質問に答え、死体がある場所へと案内する。

「で、そんなパーティーの中、事件が起きたの」

 二時間前に遡る。

 燐はしかめっ面で、自身が通う変蛇内高校の系列校・変駄世高校との親睦パーティーに参加していた。

「マジ、退屈だ」

「ホント、それ」燐の友人・海部(うみべ) リリも賛同しながら、オードブルの定番の唐揚げを頬張る。

「これ、いつ終わるの?」

「え~ 後、二時間って所じゃない」スマホで時間を確認したとリリは燐に答える。

「二時間ぅ~ 長げぇ~よ!!」

「マジ、それな」

 リリはオードブルの定番・ポテトフライを口に入れながら返答すると、少し離れた所からドタッと人が倒れる音がした。

 その付近から女子生徒の悲鳴が聞こえる。

 燐はすぐさま人混みを搔き分け、何があったのかを確認しに行く。

 そこには、身体を激しく痙攣させて苦しむ変駄世高校の男子生徒が倒れていた。

「救急車!!!」燐が周囲の人間にそう指示すると、その場に居た全員がスマホを取り出して119番し始める。

 だが、男子生徒はガクッと身体から力を抜くと、そのまま息を引き取った。

 この間、10秒程の事であった。

「ダメだ。死んでる」

 燐はすぐさま、脈を確認するが男子生徒の脈はなく目は瞳孔を開いた状態であった。

「羅猛。そこをどけっ! 心臓マッサージをするから」

 変蛇内高校の体育教師がAED片手に燐に指示を出すが「先生。無駄ですよ。彼、死んでますから」と淡々と答え自身のスマホを取り出してすぐに一川(ひとつかわ)警部に連絡した。

 当然、その後に長四郎へと連絡し今の状況となるのであった。

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