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展示-25

「はぁ~」

 そう溜息をつきながら、取調室の天井を見上げるみのり。

 そんな時、取調室のドアが開く。

 取調室に入ってきたのは、長四郎だけであった。

「どうもぉ~」

「どうも」

 みのりはそう返しながら会釈する。

「なんで、ここに? って感じの顔ですね」

「いや、そんな事は」

「どうしても気になることがあったんで、こうして来たんです」

「はぁ」

「これ、見てください」

 長四郎は手に持っていたカバンから、例のアルバムを取り出しあるページを開いた。

「このおばあさんと写っている女の子。これ、あなたですよね?」

「それは・・・・・・」

 みのりは写真から目を逸らす。

「気になったんですよ。1人の爺さんの願いの為に、殺人に加担するのかってね。そこで、爺さんの話を思い出したんです。何かしらの理由があるんじゃないかなと」

「・・・・・・」

「そんで、あなたの家族について調べさせてもらったんです。結果、このおばあさんにたどり着いたんです。このおばあさんは、みのりさんの祖母であり爺さんいや亀津さんの思い出の人です」

 みのりはその言葉に何も返さず、ただ下を向くだけであった。

「あの博物館を守る為に、互いの利害が一致したっていう所でしょうかね」

「利害が一致したわけではありません」

 ここでみのりが口を開いた。

「というのは?」

「確かにおばあちゃんは、あの博物館の事を大事に思っていました。でも、それよりも亀津さんの思いを・・・・・・思いを守りたかったんです。おばあちゃんと共に築き上げた思いを」

「そうですか。いや、それを聞けてスッキリしました」

 長四郎は腑に落ちた様子でうんうんと頷く。

「それは良かったです」

「じゃ」

 長四郎はみのりにそう告げ取調室を後にするのだった。

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