展示-24
長四郎は燐を伴って、とある場所を訪れた。
その場所とは・・・・・・
「ここだな」
スマホの地図アプリを見ていた長四郎は、ある一軒家の前で立ち止まる。
「この家がどうしたの?」燐がそう聞くのだが、長四郎は無視して家の門を開けて敷地内に入る。
「あ、ちょっと!」
燐も長四郎に続いて敷地内に入る。
生活痕がある家であったのだが、それでも数年の間住まれていない様な感じの家であった。
「ここ人住んでなさそうだけど」
燐は家の周辺をキョロキョロと見回しながら、感想を述べる。
「そうだよ。ここ空き家らしいから」
「空き家って、どう見ても家具が残っているじゃん」
燐は窓から見えるコップを指さす。
「ああ、そうだな」
素っ気ない返事をしながら、絢巡査長から預かった鍵を使い家の中に入る。
家の中は、昭和感漂う和風内装の家であった。
「なんか、かび臭い」
部屋に入った燐の第一声はそれであった。
「はいはい。文句が多いな」
長四郎は窓を開け換気を始めると、部屋の探索を始めた。
「ここに何があんの?」
「質問の多い奴だなぁ~黙ってマッテローヨ!」
「え~」
「え~じゃないよ。ったく、これだから若い女は」
長四郎は引き出しに入っていたアルバムを取り出し、中身を確認する。
「あーやっぱりだ」
「何がやっぱりなの?」
燐もまた長四郎が見ているアルバムを覗き込む。
「あ!」
「ラモちゃんも気づいた?」
アルバムに入っている写真に映っていた祖母と孫の写真には、見覚えのある孫娘の顔が映っていた。