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美味-8

 燐は早速、行動を開始した。

 鑑識が押さえた写真を見せて貰い、事件に繋がる物が無いかを捜し始めた。

「ラモちゃん、1人で大丈夫と?」一川警部が心配そうに尋ねると「大丈夫です。あいつが居なくても解決できる事を証明して見せますから」燐は鼻息を荒くしながら答える。

「一川さん。ラモちゃんを信用しましょう」

 絢巡査長に諭された一川警部は「そうやね」と答え、燐が何かを見つけるのを待つ。

「うん?」

「ラモちゃん、どうかしたの?」

 何か見つけたであろう燐に反応を示す絢巡査長。

「いや、このお皿なんですけど」燐はそう言いながら立ち上がると、写真が映ったタブレットを手に持ちながらパーティー会場へと移動する。

 パーティー会場では、片付けが行われ始めようとしていた。

「あ、待ってください!!」

 皿を持っていかれそうであったので、燐は咄嗟に呼び止める。

「はい?」

 従業員が戸惑っていると「すいません。事件解決の為にご協力願えませんか?」絢巡査長は警察手帳を提示しながら願い出る。

 従業員は快く快諾してくれて、皿1枚を貸し出してくれた。

「絢さん。これです」

 燐は片づけられたテーブルの上に皿を置き、タブレットにある写真と照らし合わせながら解説を始める。

「写真の皿とテーブルの上の皿。微妙に違うと思いませんか?」

「え?」

 絢巡査長は、写真の皿とテーブルの上の皿を見比べる。

「あ、ホントだ。写真の皿には赤い点があるね」

 テーブルの上の皿には金色の円の装飾が施されているのだが、写真の皿には同じ金色の円の装飾の他に赤い点が皿の淵に施されていた。

「ですよね。この赤い点がある皿にテトロドトキシンが入っているマークだとしたらどうです?」

「成程。配給係に予めしていた人物に指示を出しておけば特定の人物は殺せる。でも、どうやって毒を?」

「それは事前に、皿の上に致死量のテトロドトキシンを含有した液体を塗って乾かしておけば良いんですよ」

「そうか。対象の人間が来た時に料理を装えば毒を混入させた料理を食べさせられるって事ね!!」

「そういう事です。他の料理からも検出されたとのことなので。多分、連携がうまくできていなかった為に、取り皿に分けられた料理の一部からテトロドトキシンが検出されたんだと」

「という事は、無差別殺人に発展していたかもって事か」

「そうなりますね。ですから、この赤い点がある皿をもう一度分析してもらってくれませんか?」

「分かった。後は犯人が誰かね」

「それなんですけど。私、心当たりがあるんです」

「心当たり?」

「はい。逃げ出した馬鹿が疑っていた人物が居るんです。私もその人が犯人だとこれを見て確信できました」

「で、その犯人は誰なの?」

「今回の料理を総指揮するシェフの板前拓哉。略してイタタクです」

 燐は自信満々に答えるのであった。

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