GW-2
ツアー客は食べ歩きや買い物を終え、ホテルのチェックイン時間に合わせてツアー一行は宿泊先の吉川プリンセスホテルに移動した。
「ここで、部屋割りのクジ引きをさせて頂きます」
個亜田は割り箸クジをツアー客に引かせていく。
「あ、私と燐ちゃんが相部屋か」
襟は自分が引いたクジの結果を見ながら燐に話しかける。
「そうですね。行美さんは?」
「私は別の人と相部屋」
行美はクジ引き結果を燐に見せる。
「では、部屋への移動をお願いします」
個亜田はツアー客を部屋への移動を促し、各々部屋へ移動する。
部屋はジュニアスイートで、30階から見る景色は壮観であった。
「うわぁ~お」
襟はダブルベッドに飛び込む。
「何してるんですか?」
燐は襟の子供ぽっい言動に呆れる。
「ダイブ。燐ちゃんもしてみなよ。気持ちいいよ」
「私は・・・・・・」
拒否するのかと見せかけて燐もまたベッドにダイブする。
燐は枕にうずめた顔を上げながら「気持ちいい」と呟く。
「でしょ、でしょ」
襟は嬉しそうに燐を見る。
すると、コンコンとドアがノックされる。
「行美さんかも。は~い」
燐はベッドから起き上がり、ドアを開けると行美が立っていた。
「ご飯行こう」
「はい、準備します。中で待っていてください」
燐は部屋に行美を入れる。
「お邪魔しまぁ~す」
襟は寝転んだままの行美を見て「いらっしゃい」とだけ言い、起き上がるそぶりを見せない。
「この部屋から見える景色も良いわね」
行美は窓からの景色を眺める。
「行美さんの部屋からも良く見えるんじゃないですか?」
燐は化粧直しをしながら準備をする。
「それもそうよね」
「そうですよ」
「あ~腹減ったぁ~」大の字の襟が叫ぶ。
「今から行くんですよ。さ、立って、立って」
化粧直しが終えた燐は、襟に起き上がるよう促す。
「は~い」
襟はベッドから立ち上がり三人は、ディナーに赴く。
ディナーはフレンチのフルコースで、舌鼓を打つ。
「あ~美味しかった」燐はお腹を擦り「ホント」襟もまたお腹を擦り満足する。
「では、皆さん。これからバーで飲み放題になります」
個亜田のアナウンスに、大人達は色めき立つ。
「では、移動をお願いします」
その一言を受けて、大人達は移動する。
「羅猛さんは、こちらに」
「はい」
燐は個亜田に連れられエステルームに移動する。
燐がルームキー等の貴重品を預け、バスローブに着替え施術前に個亜田はこれからのスケジュールを伝える。
「私、バーの方に行きますので。
終わったら、部屋でお休みください」
「はい」
個亜田は飲み放題が行われているバーに向かった。
「では、3時間コース。始めさせて頂きますね」
エスティシャンが施術開始を宣言する。
「お願いしまぁ~す」
燐の背中にオイルが塗られていく。
燐はこの後、事件に巻き込まれると知らず。