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希望-6

 長四郎達が警備室に入ると、そして応援要請を受けて駆け付けた刑事達で溢れかえっていた。

「すいません。すいません」

 3人は刑事達を搔き分け一川警部と現場指揮を任せられた森林(もりばやし)管理官が居る中央の机まで向かう。

「遅れてすいません」

 絢巡査長が謝罪すると、「揃ったな。では、始めるぞ」森林管理官はそう言うと眼鏡をクイっと上げる。

「サクル・オリオ・クラウから次の要求は、お前だ。熱海長四郎」

「俺?」

 まさかの指名に長四郎は驚く。

「奴らの要求は、お前がここから退去する事。それが第一条件。という訳だから、君達はここから消えてくれ」

「ちょっと、待って下さい!」

 最初に異を唱えたのは、燐だった。

「どうして、私まで出て行かなきゃらないんですか?」

 その場に居た全員がそこじゃないだろうと心の中でツッコミをいれる。

「君はバカなのか? 部外者が捜査に参加できる出来るわけないだろう」

「バカぁ~」

 燐の顔が般若の形相になり、今にも森林監理官に掴みかかろうとするので長四郎は咄嗟に羽交い絞めにして抑える。

「申し訳ありません。今すぐにここから立ち去りますので」

 長四郎はそのまま燐を連れて警備室を出た。

「ったく、黙って引き下がれよな。女子高生」

「ごめん。だけど、追い出されたんだよ! でも、アレを見つけたのは私達だよ」

「食い下がりたい気持ちも分かるけど、相手方の要求だから致し方ない。こんな所で話していても邪魔になるだけだ。行くぞ」

「うん」

 長四郎と燐は警備室の前から去っていった。

 そして警備室では、サクル・オリオ・クラウの話が続いていた。

「まず、奴らの要求はあの探偵を排除する事。要求通り排除したので、例の装置・SUITOの起動は免れた」

「あれってSUITOって言うんですか?」

「そうらしいね。あたしも今、知ったと」

 絢巡査長と一川警部がそんな会話を続けているのは他所に、森林管理官の話が続けられる。

「次の要求は、ペットを空港に持ち込んでいる乗客の搭乗を許可させないようにすることだ」

「あの、サクル・オリオ・クラウは動物保護を目的にした組織なんですか?」

「そうだ」

 一々、質問してくるなと言った感じで答える森林管理官に「それは違う」と反論する公安の刑事の高倉。

「サクル・オリオ・クラウの活動内容は不明だ。だから、今回のペットについての要求は腑に落ちない」

「そうは言ってもだな。それが奴らの要求だから仕方ないだろう」

「まぁまぁ、お2人さん。SUITOを起動させないよう、サクル・オリオ・クラウの要求通り行動しましょう。ね?」

 一川警部にそう言われた森林管理官と高倉は黙り込んでしまう。

「じゃあ、彼らの要求を聞くふりをしつつ他のSUITOを探すばい!」

『はい!!』

 一川警部の号令に、捜査員は返事をして警備室を出て行くのだった。

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