まだ追い詰められてます
くちゅっ……
流麗は舌を入れ、俺の口腔を割ると、容易く俺から抵抗の意思を奪い去った。
流麗の汗混じりのシャンプーの匂いと柔らかい唇のせいで理性が吹き飛ばされそうになるが、下から聞こえて来た金属が折れる音と警察の悲鳴が何とか俺の正気を保ち続けた。
「うわあっ!」
「梯子が壊れたぞ!」
「オイオイどんだけボロいんだよ」
どうやら梯子に飛びついた警察が錆びていた梯子を壊してしまったようだ。
俺と流麗の様に小柄で体重は軽ければ耐えられたのだろうが、来ている警察の中でも一番大きいと言う大山と言う人物の体重には耐えきれなかった様だ。
「如何するんだよ? これじゃあ昇れないぞ?」
「諦めるか? これだけ俺達が騒いでいても出てこないんだから、どうせ居ないだろ?」
これはラッキーな流れだ。
このまま諦めて立ち去ってくれれば、後は上から様子を見て警察が去るのを待てば良い。
だが、そうは問屋は下ろさなかった。
「脚立でも探すか? 不良達が使っているなら、そこら辺にあるかも知れないぞ?」
そんな都合よく脚立なんてあるかよ……という俺の甘い考えは即座に打ち砕かれた。
「あそこにあるな。直ぐに取ってくるわ」
マジかよ。
脚立何か使われたら今度こそ終わりだ。
「ホラ持ってきてやったぞ。大山はまた梯子をぶっ壊すから使うなよ」
結構近くにあったのか? すぐに脚立を運んできた様だ。
いよいよ詰んだか?
そう思っていると、流麗は再び俺にキスを始め出した。
(だから! こんな時に何やってんだ!)
そう言いたかったが、寝技も使いこなす流麗に上から抑え付けられ体を引き放せないうえ、唇を塞がれては抗議も出来ない。
絶体絶命のピンチの中、屋上に切羽詰まった声で下の階から昇って来たと思われる警察の声聞こえた。
「オイ! お前等何こんな所で油売っているんだ! 4階で見つけた不良達が逃げ出したぞ! 人数も多いからお前等手伝ってくれ!」
「いや……誰か隠れてないか捜してたんですが」
「……何処にも居ないじゃないか! つべこべ言わずに早く来い!」
如何やら一番立場が上の警察なのか?
他の警察達に有無を言わさず、従わせると、バタバタとやかましい足音を響かせながら、警察達は屋上から去って行った。




