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イリュージョンライト~伝説覚醒~ヤンキー女子高生の下僕は〇〇になりました  作者: 麗玲
第2章 ヤンキー女子高生の下僕はNEO麗のメンバーにさせられました
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強力な援軍

「テメーラ! 麗か! やっぱりNEO麗とグルだったのか!」


 朝来名が麗衣に向かって怒鳴りつけた。


 コイツが疑問に思うのはある意味当然の事と言えたが、事情を知らぬ流麗はキョトンとした顔で麗衣に訊ねた。


「えと……麗衣ちゃん。どうして来たのかな?」


「決まっているだろ? 可愛い妹分とペットを助けに来てやったんだよ」


 妹分は流麗だとして、ペットって俺の事かよ……。


 そういや、俺が弟分扱いされるのを嫌がったからペット扱いに格下げされていた事を思い出した。


 麗衣の新車と思われるNinja250には静江、勝子のNMAX155には吾妻君、恵のスーパーカブ110には香織と、それぞれニケツしており、全員下車すると素早く俺達を守る様に周りを囲んだ。


 静江だけやたらと顔色が悪い理由は察しがついたが、不満の一言も漏らさずに健気にヌンチャク袋からスヌケ材の鎖でつながれたヌンチャクを取り出し、何時でも戦闘できる準備を整える横で、香織も茶帆布から取り出したトンファーを両手に構え、予めやや厚めの簡易バンテージを装備していたと思われる吾妻君は拳の握り具合を確かめていた。


「バカが! たった六人増えたところで百人相手に出来るとでも思ってんのか!」


 足振が怒鳴ると、離れた場所から否定する者が現れた。


「六人じゃないぜ!」


 麗衣達がバイクで切り開いた包囲網の中、四人の女性がこちらに近付いてきたのだが、そのメンバーを見て俺も驚いた。


「テメーラも麗か! それともNEO麗か!」


「はあっ? 何でアマチュア最強の女子って言われているこの私が、たかがチーマー扱いされなきゃいけねーんだよ? 殺すぞ!」


 四人の先頭に立って現れた織戸橘環おとたちばなたまき先輩は不機嫌そうに答えた。


 日本拳法、キックボクシング、総合格闘技などの様々な大会で優勝し、自他ともにアマチュア女子最強と称しているのは決して誇張では無い。


 そして、俺もかつて彼女とタイマンを張って殆ど手も足も出ずに完敗した唯一の相手である。


「おっ……お姉ちゃん?」


 火受美が戸惑いながら環先輩に話しかけると、環先輩は彼女に近付くと頭を撫で始めた。


「偉いぞ。よく頑張ったな。流石、私の妹だ」


 環先輩は姫野先輩に対してシスコンであると聞いていたが、妹に対する愛情も相当深そうだ。


 多分、NEO麗の助っ人というよりは、火受美を助けるのが目的で来ただけだろうな。


「ハーイ! 何とかクン。助けに来てやったよ♪」


 相変わらず俺の名前を憶えていないこのギャルは同学年の玖珠薇桜桃くすびははか


 以前、パパ活をしていて半グレに騙され、事務所に連れ込まれたところ、俺達麗のメンバーと美鈴先生に助けられた彼女は、あの事件以降空手部に真面目に通っているらしい。


玖珠薇くすびさん? 大丈夫なの?」


「あたし、美鈴ちゃんやアンタたちに助けられた時は弱っちかったけど、今は頑張って練習してるし、それに今日はコレ持ってきたから」


 玖珠薇はバッグから二本のトンファーを取り出した。


 でも、以前の経緯もあるし、彼女は型の選手だと聞いているから、実戦で何処まで強いか不安になったが、俺のそんな心中を察したかのように勝子が説明をした。


「玖珠薇なら私が助っ人に頼んだのよ」


「え? 勝子が?」


「玖珠薇の実力を疑っているのかも知れないけど、型が上手い選手は実戦でも強いから心配いらないよ」


 勝子がそう補足してくれた。


 確かに勝子が以前、危険を冒してまでわざわざ彼女を助けに行こうとしたのは、友情と言うよりも、あの頃は空手部を指導していた勝子が玖珠薇の実力を惜しんだからなのかも知れない。


 考えてみれば型の受けの動き等はトンファーを持たせても違和感が無い動きも多い。


 型の選手である彼女がトンファーを持てば結構強いかも知れない。


「というか玖珠薇は素手でも普通に強いけど、敵の数も多いからトンファー準備させたの」


 勝子はそう付け加えた。


 鬼に金棒。

 玖珠薇にトンファーってところか?


「全く……本当は喧嘩なんかしたくないんだけどね」


 白いバンテージをガチガチに拳に巻いた長身の女性はボクシング部の音夢先輩だった。


「先輩! 如何して来たんですか!」


 流麗が訪ねると、音夢先輩はため息交じりに答えた。


「格闘技仲間で親友マブダチの環に頼まれたんだよ。私としても折角入部してくれた大事な部員が傷つくのを見過ごす訳にも行かないしね。それに大して強くないくせに努力もせず、徒党を組んで威張る不良という輩が嫌いなんだよね」


 理由はどうあれ、勝子と互角にボクシングが出来る音夢先輩は強力な助っ人に違いない。


 環先輩、音夢先輩と玖珠薇の三人は同じ学校の生徒だから助っ人に来てくれるのは分からなくもないけど、最後の一人は……。


「美鈴先生……教師がこんな所に来て大丈夫なんですか?」


 布製の拳サポーターを装着している美鈴先生を見て、俺は半分呆れ気味に言った。


 この先生がぶっ飛んでいるのは知っているが、学校の生徒と混じって他校の生徒と喧嘩するのはやり過ぎでは?


「まぁ先生もその辺の自覚は無い訳じゃないけど、玖珠薇さんに小碓君達を助けて欲しいって頼まれちゃったからねぇ……」


「なっ! 美鈴ちゃん! 黙っていてくれる約束だったジャン!」


 玖珠薇は恥ずかしそうに言った。


 もしかすると、玖珠薇なりに俺に対しても借りを返したい気持ちがあったのかも知れない。


 いずれにせよ、強力な仲間が揃った。


 まだ15対100と絶望的な人数差だが、何とかなるんじゃないかと思えて来た。

 五輪のボクシングで岡澤セオン選手・入江聖奈選手の初戦を観ました。


 男子選手全体にも言える事ですが、プロの選手より2、3階級下の階級のスピードに感じますね。ウエルター級のセオン選手がプロのライト級の選手よりも早く感じました。まぁ地域予選を突破出来るレベルなら下手なプロの世界王者よりも強いのがゴロゴロいるので当然と言えば当然かもしれませんが、そんな中で初戦突破出来たのはお見事です。パンチを打った直後にその場を離れて返しのパンチを貰わないテクニック等は流石でした。次は日本人にとって鬼門のキューバ(あの辻本和正や須佐勝明すら寄せ付けなかった)の選手と対戦ですが歴史を塗り替えて欲しいです。


 入江選手はワンツーや左ボディの当て方がお上手でした。アマチュアボクシングでは昔はルール的な関係でボディはあまりポイントを取っていなかった為、アマはボディが下手というイメージを抱いていましたが、認識を改めさせられました。


 NHKオンラインでは試合を見逃した場合も動画が見れますので興味がございましたら、ご視聴をお勧めします。


https://sports.nhk.or.jp/olympic/schedules/sports/boxing/

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