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イリュージョンライト~伝説覚醒~ヤンキー女子高生の下僕は〇〇になりました  作者: 麗玲
第2章 ヤンキー女子高生の下僕はNEO麗のメンバーにさせられました
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グラップリングの練習(1) 差しの練習。これは麗衣ともやらなきゃアカンな

 ウォーミングアップはキックボクシングよりも長い時間をかけて行われる。


 柔軟体操から始まり、前転、後転、開脚前転、開脚後転、伸膝前転、伸膝後転などのマット運動から始まる。


 前転は打撃系格闘技の練習でも稀に行われており、確かボクサーの井岡一翔がダウンを取られた後でも立ち上がれるように前転も練習に取り入れていると昔TV番組で話していた記憶がある。


 続いて、前回り受け身、後ろ受け身、横受け身と、受け身を行うと、次は前ブリッジ、左右肩ブリッジ、後ろブリッジ、前後ブリッジを行う。


 ブリッジは首の強化にかかせず、投げの衝撃を緩和させたり、寝技で上になった相手を跳ねのけるには強靭な首の筋力がいると言われている。


 ボクシングの練習でも前ブリッジぐらいはやっていたが、ここまで徹底的にはやっていなかった。


 そしてウォーミングアップのラストは「差し」の練習だ。


 レスリングなどで接近戦の際に、相手の腋に腕を差し込む事を「差し」と呼ぶ。


 腕を差したら、相手の腋を空けさせて、自分に有意な体勢に持ち込み、その後技を展開していくのだ。


 MMAクラスでは練習時にあまりやる事が無いが、グラップリング専用のクラスで練習する様な内容だ。


「武っチ。一緒にやろっか♪」


 この練習をするには当然二人一組にならないと練習が出来ない。


 火受美は怪我をしているので練習には参加できないので見学しており、神子は孝子と組んだ。


 流麗は俺に練習のパートナーになってくれるらしいが―


「いや、その……体触れちゃうけど大丈夫なの?」


「今更何言ってんの? 散々人のオッパイ触ってるくせに♪」


 わざとらしく自分の胸を抱きしめ、上目遣いで言った。


「人聞きの悪いこと言うなよ! それじゃあ俺から触ってるみたいじゃないか!」


 いつも流麗の方から勝手にその胸の凶器を押し付けてこっちの理性の崩壊寸前まで追い込んでるんじゃないか。


 神子が暗殺者の様な眼付きで俺を睨んできたので俺は弁解がましく聞こえる様に叫んでしまった。


「にゃはははっ。メンゴメンゴ。てか、触れる事ぐらい承知の上で誘ったんだから気にしなくて良いよ♪」


「ハイハイ。そこイチャついてないで真面目にやって」


 孝子は呆れ気味に言うと、神子が「あんな奴とイチャついてないから!」と何故か孝子に嚙みついた。


 そんなこんな余計なやり取りを経て差しの練習が始まった。


 ポヨン! ポヨン!


 腋を差し、こちらの体勢を崩そうと密着する度に質量をもった凶器がパンチボールの様に躍動感を持って弾みながら俺に触れる。


 うむ。


 これは麗の女子会に取り入れて是非とも麗衣とも練習しなければならないテーマだな。


 決してやましい気持ちがあっての事ではなく、レスリングの基本練習であるのだからして―


「一寸! 武っチ! ちゃんと踏ん張って耐えてよ!」


 集中力を欠き、凶悪な圧力に簡単に体勢を崩して俺はまた年下に怒られていた。



 ◇



 30分もかけてアップが終了すると、次は投げ技の練習が行われる。

 投げ技の練習には「打ち込み」と「投げ込み」の2種類を行う。


 これらは柔道の練習を取り入れたもので、「打ち込み」は技のフォームや体の使い方、タイミングをマスターし、スピードアップをはかるのが目的だ。


 相手を完全に投げず、投げる直前の動作を繰り返すのだ。


「打ち込み」が終了すると実際に相手を投げる「投げ込み」の練習を行う。

 今回は初心者向けに一本背負いと首投げの練習を行った。


 うむ。


 これも必ず麗衣と復習しなければならないテーマだな。


「ふふふっ……何か武っチ、顔がヤラシー♪」


 そりゃお前のせいだ。


 「打ち込み」の首投げ練習で俺を腋に抱え込む流麗の爆乳で押し付けられているのだから、仕方ないだろ。


「俺は無罪だ。愛エロ無罪」


「アハハ! 何ソレウケルー! 武っチ、変な事言うね♪」


「だからイチャつくなソコ!」


「だからイチャついてない!」


 俺と流麗の練習を見て、孝子が叱り、何故か神子が否定するという流れが出来上がってしまった。


「楽しそうで良いなぁ……」


 そんな俺達を見て、練習に参加できない火受美は羨ましそうにポツリと呟いた。

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