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イリュージョンライト~伝説覚醒~ヤンキー女子高生の下僕は〇〇になりました  作者: 麗玲
第1章 ヤンキー女子高生の下僕は生きて二年生に進級出来ました。
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流麗の真意

「あの体格差でリフト? 噓でしょ?」


 総合格闘技の使い手である恵は驚きを隠せない様だ。


 リフトとは敵の体を抱え上げる技術であり、一般的にタックルから連携技として使われる。


 レスリングではリフトからテイクダウン、そしてフォールに導くのが連続攻撃の基本的な定石であるが、コンクリートではないとは言え、硬い土の上に落とされれば失神は免れなかった。


「やっぱり恵の言う通り総合格闘技の使い手じゃねーのか?」


 麗衣が流麗に訊ねるが、流麗は答える代わりに神子に向かって「シュート!」と叫んだ。


「あっ! もしかして、シュートボクシングかな? もっとムエタイに近い構えだと思ったけれど」


 シュートボクシングとはキックボクシングと同じ打撃の他に投げ技と立ち関節技が許可されている競技である。


 言わば、寝技グランド無しの総合格闘技と言うべきだろうか?


「その通り。メインでやっているのはシュートボクシングだよ。さっきも少し言ったけれど、神子は元々MMAとフルコンをやっていて、それからシュートボクシングを習い始めたんだ」


「それにしても大分MMA寄りな戦い方だったと思うけれど。あまりよく知らないけれど、シュートボクシングって結構ムエタイに近い動きだったと思うけどなぁ?」


 恵は首を傾げると、話を聞いていた神子が答えた。


「MMAって言っても路上じゃ寝技グランド何て殆ど使う機会が無いでしょ? だから、立ち技で何でもありに近いシュートボクシングを学ぶようにしたの」


「路上前提かよ……変わっているな」


 いや、それは麗衣が言う資格はない気がするけど……。


「それでもMMAの使い手に掴まれたら厄介だから、今回はMMA風のリスクの少ない戦い方を選んだだけ。相手に合わせてMMAでもムエタイスタイルでも空手のスタイルでも私はどんな戦い方でも出来るからね」


 相手に合わせた戦い方をするのは言う程簡単ではない。


 どんな戦い方でも出来るという事は苦手なタイプも真似る事が出来るという事なのだから、余程身体能力が高くなければならない。


「それはスゲーな……うち等の仲間に欲しいぐらいだけどよぉ、それよりか、お前等何で麗を名乗っているんだ?」


 麗衣は目を鋭くして訊ねると、流麗が答えた。


「『麗』じゃなくて『NEO麗』だよ。めんどくさいから最近は不良どもに『お前等麗か?』って聞かれても否定して無いけどね」


「テメーラ……」


 麗衣が呆れ返っているのも構わず、流麗は説明を続けた。


「麗衣ちゃん達『麗』の活躍は知っていたし、何で暴走族潰し何かしているのか、目的も大体見当がつくよ」


 流麗は麗衣が弟のタケル君が暴走族のせいで事故に遭い、植物状態になり、敵討ちの為に暴走族潰しをしているという事情を知っているという事か?


「タケル君の敵討ちをしたいから暴走族潰ししているんでしょ?」


 どうやら図星の様だ。


 何時の間にかわざとらしいギャル口調が無くなり、真剣な口調になっていた流麗は麗衣に訊ねた。


「ああ。その通りだよ。よく分かったな」


 麗衣は隠すことなく認めた。


「あーしに言わなかったのは巻き込みたくなかったからかな? 今のあーし、麗衣ちゃんが知っている流麗よりもずっと強いんだよ」


「……さっきから質問の答えになってねーよ。如何して『NEO麗』とやらを名乗って、こんな危険な事してんだよ?」


「あーしも麗衣ちゃんと同じだからだよ」


「何だと?」


「あーしもタケル君の仇を取りたいの。だから、麗衣ちゃんにあやかって『NEO麗』を結成したの」

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