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堺県おとめ戦記譚~特命遊撃士チサト~

堺県おとめ戦記譚~特命遊撃士チサト~ 時を越えた出逢い、時空漂流者救出作戦 (短編化)

作者: 大浜 英彰

萌えミリタリー系シリーズ「堺県おとめ戦記譚~特命遊撃士チサト~」の第9話「時を越えた出逢い、時空漂流者救出作戦」(N9774FW)を、短編化致しました。

 堺県立御子柴高校1年生・吹田千里は、国際的防衛機関「人類防衛機構」の少女士官にして、レーザーライフルの使い手である。

 拳銃に長けたクールな和歌浦マリナに、レーザーランスを駆使する内気なお嬢様の生駒英里奈、そしてレーザーブレードを操る熱血娘の枚方京花。

 これに千里を加えた4人は、固い絆に結ばれた無二の親友だ。


 この日も管轄地域に出現した敵性生物の鎮圧作戦に赴いたが、そこにいたのは根絶されたはずの人類の天敵「珪素獣(シリコン・ビースト)」だった。

 千里達は連携して珪素獣を追い詰めるも、珪素獣は衝撃波を発生させて消失してしまった。

 レーザーブレードを振り被った、枚方京花少佐を巻き添えにして。


 直ちに捜索を開始した千里達は、路上で京花を保護する事に成功する。

 喜びに沸き立つ千里達。

 だが奇妙な事に、京花が着ていたのは人類防衛機構の遊撃服ではなく、その前身である大日本帝国陸軍女子特務戦隊の軍服だった…


 所属基地である堺県第2支局に帰還した千里達を待っていた、衝撃の事実。

 保護された少女は枚方京花ではなく、その曾祖母の陸軍士官・園里香(そのりか)少尉だった。

 彼女は何らかの事故で、現代にタイムスリップをしたらしい。

 枚方京花と瓜二つな姿に戸惑いながらも、園里香少尉と相互理解を試みる千里達。

 スマホやタブレット等の最新通信機器に興味を抱く園里香少尉だが、そこに行方不明の枚方京花から電話が掛かり、一同は驚愕の事実を知る事になる。

 京花もまた、タイムスリップしていたのだ。

 それも園里香少尉が元々いた、人類と珪素獣の戦争の時代に。

 この事態に堺県第2支局の幹部達が下した対策は、官民共同の時空漂流者救出作戦だった。

 そして作戦の準備が完了するまで、園里香少尉は枚方京花少佐として振る舞うよう要請されるのだ。


 親友の曾祖母との、思わぬ邂逅。

 千里達は戸惑いながらも園里香少尉と交流し、友情を育んでいく。

 だが、千里達は知っていた。

 園里香少尉は後の戦争で落命してしまう事を。


 やがて堺県立大学の保有するタキオン粒子加速器の準備が整い、時空漂流者救出作戦の決行となったが、それは園里香少尉との別れの時でもあった。

 別れ際、マリナは園里香少尉に「リッカ」という徒名を贈るのだが、これは枚方京花少佐の身代わりではなく、園里香という少女との友情の証しだった。

 時代を越えて真の意味で友達になれた、園里香少尉と千里達。

 感動の別れに水を差したのは、軍用スマホに入った緊急指令だった。

 中百舌鳥に武装兵士と3体のロボット怪人が現れ、無差別テロを敢行したのだ。


 友軍からの援護要請に、出動しようとするマリナと英里奈。

「私も行くよ!」

 それに加勢しようと名乗り出たのは、園里香少尉だった。

 気持ちは有り難いが、過去の人間である園里香少尉が現代で戦死でもすれば、歴史が変わってしまう。

 千里の説得に納得した園里香少尉は、素直に実験設備であるガラスドームの中へ入るのだった。

 ついに発動される、時空漂流者救出作戦。

 タキオン粒子加速器が起動された事で、ガラスドーム内にはワームホールが発生した。

 千里が見守る中、銃剣付歩兵銃を手にした園里香少尉が、その中へ真っ直ぐ飛び込んでいく。

 珪素獣が蠢くワームホールの中へと。

 同じ頃、過去の時代でも枚方京花少佐がワームホールへ飛び込み、現代への帰還を試みていた。

 ワームホール内で一瞬の邂逅をした曾祖母と曾孫娘は、巧みな連携で珪素獣を倒し、それぞれの時代へ戻っていった。


 衝撃波でひび割れて白煙の上がるガラスドーム内に、膝を突いて現れた枚方京花は、連戦も厭わずに対テロ戦への参加を決意した。

 管轄区の平和を守り、戦友達の友情に報いる為に。


 部下から託された武装サイドカーを駆り、数多の敵を屠りながら中百舌鳥地区を目指す、2人の少女士官。

 主戦場である堺市産業振興センターでは、2人の少女士官が阿修羅像に酷似したロボット怪人と死闘を繰り広げていた。

 1人はサーベル使いの手苅丘美鷺(てがりおかみさぎ)准佐。

 もう1人は、銘刀「千鳥神籬(ちどりひもろぎ)」を帯刀した淡路かおる少佐。

 優れた剣士の彼女達は、京花と共に「御子柴1B三剣聖」と呼ばれている。

 武装サイドカーから矢の如く飛び出した京花は、戦友達と連携してロボット怪人を追い詰めていく。

「我等、御子柴1B三剣聖!」

 3つの刃の切っ先と、少女達の裂帛の気合いが重なる時、異形のロボット怪人は戦場の塵と消えた。

 残る2体のロボット怪人を倒した英里奈とマリナも駆け付け、管轄区の平和を守った少女士官達が、ここで一堂に会した。

 戦い終えた千里の胸に去来するのは、時代を越えて友情を育んだ園里香少尉への想いだった…

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― 新着の感想 ―
[一言] もう、会えないけど……心の中にリッカちゃんは居るんや(´;ω;`)ウゥゥ
[良い点] キャラ盛り盛り、イベント盛り盛りなのに、ストーリーラインがわかりやすかったです。 まだまだ危険な任務をこなさねばならぬ少女たちに、いつかは安らげる日々が来るといいなと思いました。 [一言]…
[良い点] 初っぱな、怒濤のごとくなだれこんでくる固有名詞にたじろぎましたが、一本筋の通ったストーリーが魅力的なキャラクター視点で綴られるため、読みやすかったです。どちらかというと小説よりコミック、ア…
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