騎士団 -2-
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騎士団長の言葉は、その場にいたすべての騎士の耳に届いていました。しかし誰一人、もはや地面に膝をつき、折れた槍で体を支えるだけの怪物と、小さな体をいっぱいに広げて怪物を背にかばい、こちらを睨む少女を前にして、剣を振り上げることができずにいました。
少女の瞳は問うていたのです。
私たちに剣を向けるお前は、正義の名に値するのか、と。
騎士たちの顔からは玉のような汗が吹き出し、呼吸は浅く、顔からは血の気が引いています。誰かがごくりとつばを飲み込む音が、やけに大きく響きました。
どれほどの時間がたったことでしょう。騎士の一人が、自らを鼓舞するように、おお、と声を上げ始めました。それを聞いた他の騎士たちも同じように声を上げ、やがてそれらは大気を震わせる咆哮となりました。叫びが少女の断罪をかき消し、騎士たちが正義から目をそらせるほどに高まった時、騎士団長が剣を掲げ、大きな声で命じました。
かかれぇっ!
騎士団長が鋭く剣を振り下ろし、騎士たちは一斉に剣を振り上げて怪物と、そしてお姫様に襲い掛かりました。お姫様の瞳に気圧され、恐怖した騎士たちは、もう誰を救い、誰に剣を向けるべきなのかさえ、分からなくなっていたのです。
無数の剣刃が月明かりを反射しながらお姫様に迫ります。しかしお姫様の瞳に恐怖や怯えが宿ることはなく、ただ炎のような憤怒をもって騎士たちを射抜いていました。その視線はますます騎士たちを恐怖させ、ついに、騎士たちはお姫様に向かってその剣を振り下ろしました。
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