表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
騎士と姫君  作者: 曲尾 仁庵
怪物
79/95

怪物 -5-

_____________________________________

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


 怪物は驚いたように少し目を見開きました。今初めて会ったばかりの、それも敵として現れた相手が、自分の身を案じてくれるなんて、思いもよらなかったのです。怪物はふっと柔らかい表情を浮かべ、そしてゆっくりと首を横に振りました。


 ありがとう。でも、私は行かなければ。


 なぜだ!


 どうしてわかってくれない、と言うように、騎士は叫びました。


 あの気弱なお姫様が、お前にいったい何をしてくれるというのだ? 

お前が命を懸ける価値が、あの娘のいったいどこにある!


 怪物は少し困ったような表情を浮かべ、軽く頭を掻きました。


 なぜと言われても、うまく言葉にできない。

 ただ……


 怪物は迷いのない、静かな深い蒼色の瞳を騎士に向けました。


 魂が、そうせよと言っている。


 その言葉に、騎士は俯き、固く目をつむりました。そして顔を上げた時、騎士は戦う者の顔をしていました。


 私は騎士だ。お前が歩みを止めぬというなら、斬らねばならない。


 怪物は穏やかに答えました。


 知っている。


 騎士は奥歯を噛み締めると、長剣を正眼に構えました。

 怪物もまた、折れた槍を騎士に向けました。


 ォォォオオオオオーーーーーっ!


 獣のような咆哮とともに、騎士は怪物に向かって駆けていきました。


_____________________________________

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ