怪物 -3-
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怪物は迷いのない足取りで森を進んでいきます。お姫様を守る必要がなくなった以上、身を隠すことも兵を避けて遠回りすることも意味がありません。太陽はもう中天にかかろうとしています。怪物はただ、一刻も早くお姫様を救うことだけを考えて、まっすぐにお城を目指していました。
現れたぞ!
取り囲め!
怪物のすぐ近くから、兵士たちの声が聞こえます。行く手を遮るように、数人の兵が槍を構えて怪物の目の前に現れました。怪物が足を止めると、怪物の左右からも、そして後ろからも兵士が現れます。怪物は囲まれてしまったのです。しかし、怪物はまるでそれを意に介していないようでした。
命を惜しむ者は去れ!
ビリビリと大気を震わせる大声で、怪物が一喝します。その声に驚いた、怪物の前にいた兵士の一人が、うわぁ、と叫びながら前に出て、槍を突き出しました。怪物は突き出された槍を避け、槍の柄を掴むと、強い力で横に振り払いました。槍を持っていた兵士の身体は軽々と宙を舞い、藪の中に突っ込んでいきました。怪物は槍の穂先をへし折って地面に捨てると、びゅん、と空気を切り裂くように槍の柄を振り下ろしました。兵士たちは怯えるように後ろに下がります。怪物が一歩踏み出すと、兵士たちは怪物を囲んだまま、距離を保つように移動しました。にらみ合いはしばらく続き、そして。
パキッ
誰かが踏んだ小枝の折れる音が、やけの大きく辺りに響いたとき、呪縛から逃れるように兵士の一人が叫びました。
いっせいに、かかれ!
おお、と兵士たちが声を上げ、槍を構えて怪物に迫ります。怪物もまた前に進み出て、兵士たちを打ち払うべく折れた槍を持つ手に力を込めました。
戦いが、始まったのです。
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