現在 -3-
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追っ手は少しずつ、しかし確実に、ふたりに迫っていました。大木の影に隠れ、茂みに身を潜めながら、怪物は必死で逃げ延びる方法を考えていました。怪物の隣りで、お姫様は苦しそうに息をしています。夜の闇の中、慣れない森を追われながら走るお姫様の体力は、徐々に限界に近づいていました。
これ以上逃げ回るのは無理かもしれない。
我知らず険しい表情を作っていた怪物の目に、心細げに揺れるお姫様の瞳が映りました。お姫様を不安にさせてはいけない。焦る心を押し殺して、怪物はお姫様に微笑みました。怪物の表情を見て安心したのか、お姫様もまた、怪物に柔らかく微笑みかけます。繋いだ手のひらから、お互いの温もりが伝わってきました。この温もりを決して失うまいと、怪物は固く心に誓いました。
たとえ、何を犠牲にしても。
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